第2話 適正検査
お昼になり、皆家に帰っていった、しかし礼拝堂には3人の子供が残っていた。
アリス「はぁ~」
ティオ「そんな溜息つかないの、終わるまで待ってるからさ?」
リスター「まあ俺も暇だし、お前がアランのおっちゃんに怒られてる所でも見て暇つぶしするかな」
アリス「ありがとうティオ!リスター、あんたは帰れ」
リスター「そう邪険にするなって、さっきはちゃんとコツ、教えただろ?生かせてなかったが」
アリス「う・・・でも出来ないんだってば・・・言われたようにやったんだけど」
ティオ「もしかしたらアリスって特殊属性に適正があるのかも」
リスター「バーカ、ただ魔法が下手なだけだって」
アリス「ふん、下手で悪かったわね!」
そんなやり取りを行っていると、礼拝堂の奥の扉からアランが出てきた
アラン「おや、二人ともまだいたのですか?」
ティオ「付き添いです」
リスター「俺もで~す」
アリス「あの・・・だめですか?」
アラン「いや、大丈夫ですよ、それほど時間もかからないでしょうし」
そう言うとアランは懐からビー玉のような透き通った石を取り出した。
アリス「アラン神父、それは?」
アラン「いや、大した物じゃありません。ちょっとした検査ですよ、アリス、この石に魔力を込めてくれますか?」
そう言ってアランはアリスに石を渡す、その光景を見ていたティオとリスターはアランに向かって尋ねた。
ティオ「検査って、もしかして特殊属性の!?」
リスター「マジかよ!検査方法あったのかよ!」
アラン「あったんですがあのままだと話がずれそうだったのでね」
アリス「なんで検査?」
アラン「魔法が使えない子には必ず検査することが決まっているのですよ、一応ね?皆さんには言ってませんでしたが」
ティオ「そうだったんですか」
リスター「おいアリス!早速やってみろって!」
アリス「うん、行きます!」
そうしてアリスは石に魔力を込めるため集中していく。
リスター「ちなみに適正があったら石が変化でもすんの?」
アラン「その属性に応じた色に変化します、時なら黒、空なら金、幻なら銀色になります。ちなみにこれは刻石と言って特殊属性以外の魔力には反応しません」
ティオ「へー」
そして10分ほど経ったが石は一向に変化しなかった。
アリス「はぁぁぁぁ!ふぬうううう!」
リスター「ふぁ~」
ティオ「変わらないね~」
アラン「そろそろやめましょうか」
アリス「うぅ・・・はい・・・」
そしてアリスはアランに刻石を返した。アリスはどよ~んとした雰囲気を出しながらガックリと肩を落としていた。
アラン「まあそうがっかりしないで」
リスター「そうだって、これで原因はお前が下手だからってわかったんだしさイテ!」
リスターにティオから拳骨の制裁が与えられた。
だが、ティオもアリスも155くらいの身長であるのに対し、リスターは170以上もあるため近くのイスの上に乗って拳骨である。
ティオ「もう少し言い方考えなさい、そんなことばっか言ってるとアリスに嫌われるわよ?」
リスター「おい!?」
アリス「なんで私?」
アラン「若さっていいですね~」
と、そんなやり取りをしていると一人の修道女がアランを呼びにきた。
アラン「おや、シスターセシル、何かありましたか?」
セシル「アラン神父、もうすぐにお客様が到着します」
アラン「もうそんな時間ですか、分かりました、それでは二人とも気をつけて帰りなさい」
アリス「ありがとうございました」
ティオ「また来週もよろしくお願いします」
リスター「じゃあなおっちゃん。またなー」
そう言って3人とも帰っていった。