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第18話 リックの頼み

とりあえず、町を歩き回ってしばらくすると、一軒の武器屋の前に知り合いがいたので声を掛けた。


アリス「ガルシアさん!」


グゥ「ウォン!」


ガルシア「ん?おお、譲ちゃんにシステア、それにグゥだったか?何か買い物か?」


システア「いや、昼から用事があってそれまでの時間つぶしだ」


アリス「ガルシアさんはここで何を?」


ガルシア「俺か?俺は武器を見に来たんだ。少し暇が出来たときは一人で武器屋巡りをするのが趣味でな」


グゥ「クウ~ン・・・」


システア「寂しい趣味だな」


ガルシア「ほっとけ!!と、忘れる所だった。」


そう言ってガルシアは懐から小さな袋を取り出し、システアに差し出した。


システア「何だ、それは?」


ガルシア「この前、王都の途中で襲ってきた魔物の集団なんだが、討伐依頼が出されていたみたいでな、もっと別の地域にいたはずだったんだが移動してあの休憩所の近くにいたとあの後言われてた」


システア「ギルドの情報が遅れたのか」


ガルシア「そうらしい、それで侘びの意味も込めて結構な額を追加で払ってくれてな、その追加報酬はあんたらの分だ」


システア「と、言ってるが、どうする?アリス」


アリス「え!私ですか?」


システア「当然だ、倒したのはほとんどお前なんだから」


アリス「じゃあ・・・ガルシアさんがもらってください」


ガルシア「おいおい、なんでそうなる?」


アリス「あの戦いで皆結構装備が壊れてたじゃないですか?それの修理代に使ってください」


ガルシア「申し出は正直ありがたいが、でもな~・・・」


アリス「じゃあこうしましょう、もし私が冒険者ギルドで何か依頼をすることになったら、その時は手伝ってくれませんか?」


ガルシア「う~む、わかった、譲ちゃんがそれで良いなら俺もいいぞ、何かあればいつでも言ってくれ」


アリス「はい、その時はお願いします、所で、何かいい武器は見つかったんですか?」


ガルシア「ん?あんまり無いな、普通に使うなら問題ないが俺は力で叩き潰すことが多いからすぐ痛んじまう」


アリス「武器一つ探すのも大変なんですね」


ガルシア「まあな、そういえば、システアは武器持たないのか?」


システア「ん?武器なら一応持っている」


そう言ってローブの中からアリスが持っている短剣と同じ位の大きさの剣を取り出した。


ガルシア「お、おい・・・それ、もしかして魔剣じゃないか?」


システア「よく分かったな?水の魔剣フロレントだ」


そう言って鞘から剣を抜くと、その刃は薄い水色をして光を放っていた。


ガルシア「ほお~、始めて見たな」


アリス「魔剣って珍しいんですか?」


ガルシア「ん?魔剣知らないのか、そりゃあ珍しいさ、1本作るのに魔道師クラスの人間が数人集まり2日~3日、絶え間なく魔力を注ぎ込み続けるんだ。しかも武器の方だってミスリル製しか使えないからな」


アリス「す・・・すごいですね・・・」


ガルシア「でもそんな武器を持ってるならなんであの時使わなかったんだ?」


システア「ん?休憩所の時か?無論、本当にどうしようもなくなったら使うつもりでいた。ただ、あまりこの剣に頼りたくなくてな」


ガルシア「理由は聞かない方がいいか?」


システア「いや、別に問題ない、私の恩師の形見なんだ」


アリス「システアさんの?」


システア「ああ、だからあんまり使いすぎると甘えてしまいそうになる」


ガルシア「そうだったのか、なるほどな」


アリス「システアさんの師匠ですか~」


などと話をしていると、城の方角から大きな鐘の音が聞こえてきた。


正午を知らせる合図である。


システア「もうこんな時間か、リックが待っているだろうからそろそろ冒険者ギルドに向かうか」


アリス「そうですね、食事はどうしましょう?」


システア「ギルドには酒場もある、向こうで食べればいい」


アリス「分かりました。じゃあガルシアさん。私たちはこれで」


ガルシア「そうか、俺もしばらくしたら向こうに行くだろうから、その時はまた話でもしようや」


システア「ああ、それじゃあな」


アリス「さようなら~」


グゥ「ウォン!」


そして、アリス達は冒険者ギルドへと向かった。


冒険者ギルドは町の中央にあり、魔道師ギルドの倍近い大きさの2階建ての建物だった。受付からすぐ左に階段があり、右には酒場、その酒場に立てられている掲示板にたくさんの依頼書が貼り付けられていた。


システアとアリスは中に入りリックを探すと、本人が酒場から走ってきた。


リック「待ってました。二人はもう昼食は取りましたか?」


元気そうにしゃべりかけるリックを見て、二人は一瞬動揺したが、それを顔に出すことは無かった。


アリス「ま、まだです。ここで取ろうかと思って」


リック「そうだったんだ、それじゃあ席を取ってるからそっちに移動しよう、システアさんもそれでいいですか?」


システア「あ、ああ、それで構わない」


そして3人と1匹は席に向かった。


ちなみに、魔道師ギルドと違い冒険者ギルドはペットも一緒に入れる。


席についた3人は適当に料理を注文した。


注文が完了すると、早速リックが口を開いた。


リック「二人とも、ここまで来てくれてありがとう」


システア「それは良いが、呼んだ理由はなんだ?」


リック「はい、実は頼みがあります」


アリス「頼み?」


リック「僕がずっとシステアさんに弟子入り志願をしていたのは知ってる?」


アリス「う、うん、システアさんから聞いた・・・」


システア「なんだ?アリスに勝負でも挑むか?」


リック「ち、違います!」


システア「違うのか?」


リック「はい、システアさんが選んだ人ならきっと素晴らしい才能を持った人だというのはわかります。」


アリス「いや、そんなこと・・・」


リック「頼みは別のことです。是非アリスの力を見せてほしい」


アリス「私の?」


リック「システアさんが弟子に選んだ人なら間違いなくすごい力を持っているはずだ。頭ではわかってるんだけど・・・」


システア「実際力を見ないと納得できないか?」


リック「はい・・・」


アリス(なんか・・・どっかの誰かと似てる・・・)


リック「どうだろう、だめか?」


システア「一つ聞きたい、もしアリスがお前を納得させる力を見せられなかったら?」


リック「もし、そうなっても文句は言いません。決まったことをぐちぐち言ってもしかたありませんから、あくまでも、僕自身を納得させるためというのが理由です。」


システア「そうか、なら私からは何も言わない、アリスが決めろ」


アリス「・・・力を見る方法は?」


リック「これを」


そう言ってリックが取り出したのは1枚の依頼書だった。


リックはアリスをしっかり見つめて言った。


リック「この町のすぐ近くの森で魔物が出たんだけど、その魔物の討伐依頼に一緒に来て欲しい」


今日PV5000、ユニーク1000達成しました。

読んで下さる皆さんのおかげです。

本当にありがとうございました!

続きも早く投稿出来るようがんばります!

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