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第17話 身分証作成

アリスがシステアを見ると、システアはやれやれと言った様子で話し始めた。


システア「こいつは何年か前、魔物に襲われていた所を私が助けたのが縁で知り合ったんだが・・・」


リック「はい、その時、この人こそ僕が教えを請うべき人だと確信したのです。」


システア「で、まあ、それ以来弟子にしろ弟子にしろとうるさくてな」


リック「例え何度断られても僕はシステアさん以外の人に教わる気はありません!」


システア「まったく・・・変わらんな・・・」


リック「そういえば、アリスの方は師匠とどう言った関係で?」


アリス「え?私ですか?私は・・・」


アリスはシステアの方を見るとシステアは首を縦に振った。


もしかしなくてもアリスの口から言えということだ。


アリス(なんで私が言わないといけないんですか!)


システア(私から言ったってどうせ聞かない、それよりお前から言ってその後私が認める方がダメージがでかいだろ)


アリス(ダメージってなんですか、ダメージって・・・)


などと目で会話をしていた二人だったが、システアがアリスに真剣な表情で頼む、と、ジェスチャーしてきたため、渋々自分から切り出すことにした。


リック「アリス?」


アリス「あ、はい!」


リック「なんか難しい顔してたけど大丈夫?」


アリス「あ、うん、大丈夫・・・」


リック「で?結局アリスは師匠とどう言った関係なんです?」


アリス「・・・弟子です」


リック「へえ、御弟子さんだったんですか~・・・弟子?」


アリス「弟子です」


リック「弟子・・・し・・・師匠・・・?」


そう言ってリックはシステアの方を見つめた。


だが、そこにシステアからとどめの一言が発せられた。


システア「まあ、そういうことだ、そいつは間違いなく私の弟子だ。ギルドの規則で魔道師の弟子は一人までと決められているからな、大人しく諦めてくれ」


リックは呆然としていたが、すぐ我に返るとシステアに詰め寄った。


リック「師匠・・・嘘ですよね・・・師匠の弟子は俺ですよね・・・!?」


システア「何度も言わせるな、私の弟子はアリスだ。お前じゃない」


リック「そ・・・そんな・・・」


リックはその場に崩れ落ちた。


しばらく打ちひしがれていたリックだが、再び起き上がりアリスの方に向き直った。


リック「アリス、君はシステアさんの弟子なんだな・・・?」


アリス「い・・・一応そういうことになってます・・・」


リック「そうか、わかった・・・明日の昼頃、冒険者ギルドに来てくれ、待ってるから」


それだけ言うと、リックはシステアとアリスに一礼して肩を落として部屋から出て行った。


アリス「あの!・・・行っちゃった。お昼に冒険者ギルド?」


システア「まあ、一応行ってやろう、なにかあるんだろう」


アリス「なにを他人事みたいに・・・所で、なんでそこまで彼を弟子にしなかったんですか?」


システア「まあ、色々あってな・・・」


アリス「そうですか・・・」


なにか事情がありそうだったので、アリスはそれ以上詮索しないことにした。


そして、リックが部屋を出て行ってからしばらくして部屋に料理が運ばれてきた。


料理を食べ終えた二人はその日は遅いため、すぐ床についた。


ちなみに、この世界では、汗を流す時はシャワーのようなものがあり、宿に泊まった時は、宿代とは別に金を払いそれを利用する。


ただ、利用可能時間は、朝と夕方頃の2回だけなので今日は二人とも諦めた。


翌朝


朝食を取りシャワーを利用した二人は、まず魔道師ギルドを尋ねるため、グゥも連れ町に繰り出した。


大道りは人が大勢いて、朝から賑やかだ。


宿の前の道をさらに城の方角へと歩いてしばらくすると、魔道師ギルドと思われる施設に着いた。


3階建てで、昨日の宿より一回り小さいくらいの建物だ。


中はペット禁止のようなのでグゥには外で待っていてもらう。


二人は早速中に入って受付の所へ向かった。


受付に行くとシステアと同じ年頃の赤い髪を後ろでポニーテールのように結んだ女性が居眠りをしていた。

女性「ふふ・・・金貨がいっぱい・・・」


アリス「あの・・・すいません・・・」


女性「この金貨は私のだからね!・・・ふふふ・・・」


システア「アリス、少しどいてろ」


そう言ってアリスを横に下がらせると、システアも少し受付から離れ初歩中の初歩の魔法、アクアボールを作り出し眠っている受付嬢の上に投げつけた。


女性「う?」


一瞬、受付嬢が目を開けた瞬間、飛んできたボールが受付嬢に着弾する前に、火に包まれ一瞬で蒸発した。


アリスが驚いていると、受付嬢は体を起こし、二人の方に顔を向けて言った。


女性「私の金貨知りませんか?」


システア「知らん、それより仕事中に居眠りなどするな」


女性「なんだ・・・夢か~、あれ?良く見ればシステアじゃない、どうしたの?」


システア「ああ、カードの発行のためここに来た」


女性「発行?」


システア「私の弟子用のカードだ」


アリス「えっと、こんにちは」


女性「弟子取るんだ?あの子がっかりしてるだろうな~」


アリス「あの・・・貴方は?」


女性「うん?私はミナ=ザハル、よろしくね~」


アリス「アリスです、よろしくお願いします。所でザハルって、もしかしてリックの?」


ミナ「おお、家の弟に会ったの?お察しの通り、姉で~す」


アリス「あ、やっぱり」


システア「おい、それより先にやることがあるだろ」


ミナ「おお!そうだった。アリスちゃん、ギルドIDってわかる?これからそれを作ってもらいます。簡単に言うと身分証だね」


アリス「は、はい」


ミナ「冒険者ギルドはわかる?町の人達からの依頼を冒険者に紹介してる組織なんだけど、そこの依頼を受けるのにもこれから作るカードの提示が必要だから無くさないように気をつけてね?あとの詳しい説明は向こうの冒険者ギルドで聞いてくださ~い」


そうなげやりそうに言って女性は引き出しから書類を取り出し、アリスに渡す。


ミナ「じゃあそう言う事だから、適当にぱぱっと書いちゃってください」


アリス「は、はあ・・・」


そして、その書類に名前や出身国、などの情報を書き込んで、最後に得意な属性の欄を書く。


アリス(システアさん、これどうしましょう?)


システア(幻と書け、私が証人になるから心配するな)


アリス(はい、じゃあ幻で)


書類を全て書き終えカウンターのミナに渡す。


すると、ミナは少し驚いた様子でアリスを見て言った。


女性「へえ~、特殊属性なんだ、始めて見たよ。面白そうな弟子を取ったね~」


システア「そんなことより、カードはどれくらいで出来そうだ?」


女性「そうね~、恐らく夕方くらいまでかかると思うから、その時また来て?」


システア「わかった、じゃあ失礼する」


ミナ「ちょっと!もう行くわけ!?久しぶりの友達との再会なのに~!」


システア「今は仕事中だろうが、後でまた祝杯でもなんでも挙げてやるから」


ミナ「ほんとに?約束だよ?アリスちゃんもまたね~」


アリス「はい、それじゃあ失礼します!」


用事を済ませた二人は外で待っていたグゥを連れ魔道師ギルドを後にした。


魔道師ギルドからの帰り道


システア「まったく、変わってないなあいつは」


アリス「お友達ですか?」


システア「まあな、また今度機会があれば話そう」


などと会話していた二人は、その後、とりあえず昼までの時間潰しの為、しばらく町を散歩することにした。


ちょっと忙しくて更新が出来ませんでした。

読んでくれている方、ありがとうございます。

いままでのように毎日はきついかもしれませんが出来る限り早く、これからも更新していきたいと思いますのでよろしくお願いします。

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