第15話 王都到着!
宿に着いた一行は、まず管理人や商人などの一般人に危険が去ったことを伝えた。
そして、とりあえずその日は何人かが起きて順番に見張りをすることになり、システア、アリス、グゥは部屋に戻ることになった。
部屋に入ってグゥは早々にアリスのベッドに潜り込んで、アリスもベッドに入り休もうとしたが、そこでシステアに話しかけられる。
システア「すまないアリス、疲れているかもしれないが、少し話をしないか?」
アリス「あ、はい、大丈夫ですよ?」
システア「手間は取らせない」
そして、アリスとシステアは部屋の窓の近くに備え付けられている椅子に向かい合わせで座った。
システア「早速だが、私の渡した本に書いてある魔法をいくつ覚えた?」
アリス「えっと・・・幻の魔法はほぼ全て覚えました。」
システア「ほぼ全て・・・?あの数を・・・?」
アリス「はい、と言っても実際使ったのはあのフレリアの魔搭と空の魔法、リリデアの盾だけですが・・・」
システア「ということは上位魔法を同時発動、しかもその内一つは無詠唱で発動ということか・・・?」
アリス「は、はい・・・自分でも少し無茶かと思ったんですが、なんと。」
システア(リリデアの盾もフレリアの魔塔も単体で発動するだけでとんでもない魔力と技術が必要だと聞いたが・・・今更ながら何者だ?アリスは・・・)
アリス「あの・・・他に何かありますか?」
システア「あ、いや、聞きたいことは聞いた。疲れているし今日は休もう」
アリス「はい、今日はお疲れ様でした!」
システア「ああ、お疲れさま、明日も早いから寝坊するなよ?」
そして、二人はベッドに入りその夜はゆっくりと休んだ。
翌朝
朝食をとり荷物をまとめた二人は再び馬車で王都に向かう。
休憩所を出る際、ガルシアやリーガンが話しかけてきた。
ガルシア「もう出るのか?」
システア「今日中に王都に着きたいからな」
ガルシア「そうか、譲ちゃん、アリスって言ったな?」
アリス「は、はい!」
ガルシア「あんたは王都に着いたらどうするんだ?」
アリス「えっと・・・魔道師ギルドの登録を済ましたら一応冒険者登録もするつもりです。」
ガルシア「そうか、いつか譲ちゃんとも仕事が出来ることを楽しみにしてるぜ、それと、昨日はごたごたしてて言えなかったが、ありがとうな、譲ちゃん」
アリス「あ、はい!」
リーガン「またいつでも来てくれ、あんたたちならいつでもサービスさせてもらうよ」
システア「ああ、またいつか寄らせてもらう」
そして、二人は挨拶を済まし、休憩所を後にした。
道中、馬車の中
アリス「ガルシアさん達はいつ出発するんでしょう?」
システア「とりあえず、魔物除けの護符を取り付けてからになるだろうから昼くらいだろうな」
アリス「じゃあ、王都到着は夜でしょうね」
システア「そうだな」
などと会話もそこそこに、何事もなく時間は過ぎていった。
夕方になった頃、前方に大きな町が見えてきた。
アリス「わあ~!システアさん!見てください!町ですよ!町!」
システア「分かったから落ち着け」
そして馬車は町に入っていった。
馬車の乗り口に止まり、二人は馬車から降りた。
アリス「すごい大きい町ですね!人もたくさん!」
システア「なんだ、王都に来るのは初めてか?」
アリス「はい!町はレミアミルしか知らなかったのでこんな大きい町があるなんて驚きです!」
システア「ふふ、それなら城なんて見たことが無いだろう」
アリス「お城があるんですか!?」
システア「ここからでも少し見えるぞ」
そう言ってシステアは西の方角を指差した。
そこには、とても大きな建物が見えていた。
アリス「あれがお城ですか~!」
システア「今日は宿に泊まって、また明日、王都を案内しよう」
そう言って二人は馬車の御者に挨拶を済まし宿を取るために城の方角に歩き出した。