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第10話 旅立ちと短剣

アリス達は教会の裏手から正面へと移動していた。


そしてアリスは思い出したようにアランに祖父の借りていたお金のことを伝える。


アリス「あ、アラン神父に渡さないといけないものがあるんです」


そしてアリスは腰に下げた袋から金貨を5枚取り出しアランに渡す。


この世界では銅貨40枚で銀貨1枚、銀貨20枚で金貨1枚になる、銀貨1枚でこの町にある宿に、朝と夜の2回の食事つきで2泊出来るため、かなりの大金だということが分かる。


アラン「この金貨は・・・」


アリス「おじ・・・祖父がアラン神父にお金を借りていたと手紙にあってそれを私から返しておいてほしいと書かれていたんです」


もちろんそれは祖父が残していたお金で私のではありません。

とアリスは付け加える。


アラン「ふふ・・・そうですか・・・」


そう呟くと神父はアリスに待っているように伝え教会の中に入っていく。


そして、出てくると何かを持っていてそれをアリスに渡した。


アラン「貴方のおじいさんから預かっていたものです。お返しします。」


アリス「え?」


それは銀色の1振の短剣だった。


刃渡りは35cmほどで幅は7cmほど、飾り気の無いシンプルな作りだがどこか神聖な感じの漂う剣だ。


アリス「あ、あの・・・」


ティオ「へえ・・・?飾りはないけどすごく綺麗な剣ね?」


リスター「ああ、結構良さそうな剣だな」


各々興味津々に剣を眺めていたが、システアだけは驚いた顔で剣を眺めていた。


システア「これは・・・ミスリルか?」


アラン「ほお、わかりますか」


システア「間違いない、とても強い魔力を秘めている、まさかこんな所でこんな素晴らしい剣を見ることになるとは・・・」


アリス「あの、この剣ってそんなにすごいんですか?」


システア「ああ、私ならこの剣に金貨50枚は出す」


リスター「き・・・金貨50枚!?」


ティア「す・・・すごい・・・」


アリス「お・・・お返しします!」


アラン「返すと言われてもね、それはもう貴方の物です。旅に持っていきなさい」


アリス「で・・・でも・・・」


アラン「ふむ、では少しお話しましょうか」


アランによると、その剣はアリスのおじいさんが買ったもので、当時、この剣を買うために金を溜めていたおじいさんは、どうしても金貨5枚だけ足りなかったため、アランに貸してもらえるよう頼みに来たのだという、アランは最初は断ったがおじいさんがある賭けを持ちかけたため、金を貸すことにした。


その条件は、まず、アリスが金貨5枚を返しに来ること、2つ、アリスが旅に出ること、この二つの条件が同時に揃わなかった場合はその短剣はアランに譲る、揃えばその短剣を旅に出るアリスに渡すと言う物だった。


ティオ「聖職者なのに・・・」


レスター「賭けかよ・・・」


アラン「ははは、昔は私も若かったですからね~」


やはりアランは笑って誤魔化した。


アラン「とにかく、そう言う事で、その剣はもう君のものだ、だから好きに使うといい」


アリスはまだ迷っていたが、システアがアリスに言った


システア「受け取れ、その剣は言わばお前のおじいさんの形見だ。大事に使わせてもらうといい」


その言葉でアリスは決心が付いたようだ。


アランに向き直り言った。


アリス「アラン神父、ありがとうございます。大事に使わせてもらいます」


そして、システアは宿に荷物を取りに行きアリスはティオ、レスター、アランの3人と首都方面に向かう馬車の乗り口まで来た。


しばらく4人で話をしていると荷物を持ったシステアが馬車にのって戻ってきた。


アリス「わざわざ専用の馬車を頼んだんですか・・・?」


システア「初弟子祝いだ。少し位奮発してもバチは当たらんさ」


ちなみに、専用の馬車を用意するとなれば大体銀貨10枚は必要となる。


一般家庭の1ヶ月の収入が大体同じ位なのでかなり高額だ。


そしてアリスは馬車に乗り窓から3人に別れを告げる。


アリス「それじゃあ行ってくるね!」


ティオ「怪我には気をつけてね!」


リスター「なんかあったらすぐ戻って来いよ!」


アラン「貴方達の旅が、実り多き物になることを祈っています」


システア「またいつか会おう、それまで精々腕を磨けよ、リスター」


リスター「次は絶対に1発入れてやる!覚悟しとけよな!」


そして二人はレミアミルの町を後にした。


やっと旅立ちです。ほんとはアランさんとおじいさんの過去とか色々やりたいこともあったんですけど、出来れば10話で切りよく旅立ちしたかったため今回は見送りとなりました。また機会があればやって行きたいです。

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