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「――これで終わりです!」
モルティナの鎌から光の刃が走り、スモールゴーレムが石片となって砕け散った。
粉塵の向こうで、怯えた人々が息をのむ。
「もう大丈夫ですよ。」
振り返って、モルティナは優しく微笑んだ。
その優しい笑顔に、子どもたちの強ばっていた表情が少しだけほぐれる。
「ありがとうございます!」
「お姉ちゃん……この街……どうなっちゃうの?」
少女が泣きそうな声で問いかけた。
モルティナは一瞬だけ空を見上げる。遠くで赤い閃光が揺れていた。
「……大丈夫。きっと、あの人がこの街を――助けてくれるから。」
「え……?」
焦げた風が通り抜ける。
その中に、祈るような声が静かに響いた。
「未来で――"勇者"となる人が。」
(「きっと大丈夫……タイガさんたちなら――勝てる。」)




