21-5
「――すまない。思ったより混んでいて、遅くなった。……ん? みんな、何かあったのか?」
「実はだな――」
俺たちはことの顛末をカグラとモルティナに話した。
「――なるほどな。つまり、ルクスの過去を知りたい……と、いうことでいいのか?」
「ああ、問題ない。」
「すまないが、それについては私は役に立てない。それを聞いたら、きっと――お前たちは冷静でいられなくなる。」
カグラは目を逸らして言った。
「モルティナは?」
「ごめんなさい……」
……ルクスは――どんな過去を抱えてるんだ?
そんなモヤモヤを抱えたまま、俺は布団へと入った。
深夜、眠れない。
狭い部屋で、横ではルミネルとレイが寝ていた。
俺は起こさないように、旅館の外へそっと出た。
空には月と星が輝いていた。
「――月が綺麗ですね……」
後ろから声がしたので、振り返ってみると――モルティナがいた。
「寝れませんよね――ルクちゃんのことが気になるんですよね?」
「お見通しか……さすがだな。」
「正解を聞くだけ……それだけでは意味がありません。」
「……え?」
「――正解を自分で探し出して、あの子に寄り添ってあげる……それもいいんじゃないですか? 話してくれるまで、待ってあげてください。」
「寄り添う、か……」
「ルクちゃんは……いえ、タイガさんにとっての、ルクスという子はどんな人ですか?」
仲間であって……友人であって……大事なパーティーメンバーであって……それどんな過去を抱えていようが――変わらない。
「ふふふ、目が変わりましたね。あの子はきっと、タイガさんになら、いつか話してくれると思いますよ。」
「そうかな……」
ルクスがどんな過去を抱えていようが、変わらない。
今はただ信じて――待つだけだ。
「ところでさ、モルティナ……」
「はい?」
「月が綺麗ですね……って、あなたを愛してますって意味なんだぜ?」
「……えっ!? そ、そうなんですか!? ご、ごめんなさい! 忘れてください!」
「はは……冗談だよ。」
でも、本当に――綺麗な夜空だな……
【あとがき】
どうも皆さんこんにちは!またはこんばんは!
やまぬこもちですっ!
言いたいことはありません!(笑)
では、また次回お会いできたら嬉しいです!
それでは!
ぜひぜひ、下にある☆☆☆☆☆、ブクマ登録していただけると嬉しいです!




