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黒い鳥が群れを成して旋回している。
「ルクスはアクセルブレイクと煙幕でなるべく遠くに水晶玉を持っていってくれ!」
「了解!」
「カグラは……運転手のおっちゃんを守っていてくれ!」
「任せてくれ。」
「ルミネルは、俺が弓で水晶玉を射抜いたら――いつもの頼んだ!」
「任せてください! 私の魔法で奴らを終焉へと誘ってしんぜましょう!」
「期待してるぞー。レイは……支援魔法頼んだ!」
「わかったわ! 女神たる私に任せてちょうだい!」
「さあ、やるぞ!」
俺はオーロギアを取り出した。
「へえ……タイガ、いつの間にそんなもの手に入れたのね!」
「これはな、剣にも、弓にも、槍にもなるんだとよ。」
「へえ……」
聞いてきたのに、興味ないのかよ。
「あの……タイガさん? 私も何か手伝えることは……」
「モルティナは……そうだな――馬と馬車を守ってくれ!」
「わかりました!」
この前のベルト点検の後に、街ゆく大道芸人から教えてもらったスキル、魔力を一点に溜めて――炸裂させる。爆発のマジックに使うスキルらしい。使えるかもしれない……そう思って、教えてもらった。
「パワフル! スピードフル! かけれたわよ!」
「了解! じゃあ、行くね! アクセルブレイク!」
ルクスが水晶玉とともに煙幕を纏いながら、駆け出した。
「置けたよーーー!」
「了解! 戻ってこーい!」
「ねえ、タイガ? 幸運の魔法もいるかしら? 弓矢って当てるの難しいし……タイガって当てられなさそうだし。」
「一言余計だけどな……まあ、頼んだ!」
「分かったわ! 《フィーバー》!」
無駄に壮大なトランペットのような音が鳴った。
「なあ……今のって本当に支援魔法だよな?」
「もっちろん!」
「まあいいや……行くぞ!」
矢に魔力を溜める、そして――
「行くぜ、《ブラスト》っ!」
俺は、思いっきり矢を放った。ひゅん、という音とともに矢が突き進んでいく。
水晶玉が割れ、破片が飛び散るのが見えた。
飛び散った破片に黒い影が群がる。
「ぶちかませっ! ルミネル!」
「その言葉を……待っていましたよ!」
ルミネルが杖をクルクルと回して、構えを取り、三角帽を被り直し、詠唱を始める。
「漆黒を裂く断罪の白、崩壊を孕む黎明よ。我が右手に集い、万象を焼き尽くせ――」
「いっけえええー!!!」
「――ラディアント・バースト!」
ルミネルが杖を振りかざすと同時に、黒い影が閃光に包まれた。
「相変わらず、すげえ威力だな……」
爆風とともに砂埃が宙を舞う。
「……終わったか?」
「ああ、バッチリだ! ルミネル、お疲れ様! いいラディだったぞ!」
「あ、ありがとうございます……ふああ……」
「女神様による勝利の舞ー!」
馬車は無傷。馬も落ち着いてるし――
「クエストではないけど――成功だな!」
まだ俺たちの旅は始まったばかりだ――!
【あとがき】
第十九話は移動回的なものとなっていました!
楽しんでいただけたでしょうか!?
テスト期間などなどで投稿が遅くなってしまいましたが……申し訳ないです。予約投稿も忘れ、執筆も進まずに……といった感じです。
さてさて、次回は! 野営とついに温泉街に着く……お話となっている予定でいます!
お楽しみに!
では! またー! 次回っ!
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