EX.幕間 「出逢い ーいずれ伝説となる者ー」
「――ごめんな、強さは申し分ないんだけどな……」
「――俺らのパーティーには勿体ないよ……」
「――私たちには使いこなせないよ……」
……私、どこのパーティーにも入れません!
――スウェリア正門
「嬢ちゃん、またアレ撃つのかい?」
「はい。もちろんです!」
「おーい、撃った後の付き添いと、地面の補修業者に頼んでおいてくれー!」
いつも通り、近くのモンスターへと杖を向けて――
爆音と爆風が炸裂する。
「今日もすげえなあ……!」
門番が言う。
「早く補修しろー!」
補修業者がゾロゾロとやってくる。
「ギルドまで連れ帰ってやればいいんだよな?」
「はい……すみません。」
おかしい。この状況に慣れていることが……!
駆け出しの街・スウェリアに来てから、はや二週間……この状況は――まずい!
と、ギルドの席でお茶を飲みながら思う。
「おい、聞いたか!? プロフェットだとよ!」
「ああ! もちろん聞いたぞ! あのプロフェットだろ?」
「その人の相方って……最弱職らしいぞ!」
「ま、まじかよ! 俺のパーティー入ったほうがいいだろ!」
へえ……そんな人がいるんですね……
宿に帰ることにしますか……
「ヌルヌルしてて、気持ち悪いんだよ!」
「だーかーら! 私の体から出るのは聖水よ!」
「だとしても、そのヌルヌルはスライムのだろお!」
何やら、言い争いしてる人たちがいる。
おそらく駆け出しの人でしょうね。
――次の日
いつも通りギルドの席でお茶を飲んでいると、聞こえてきた。
「こんな異世界なら、もう元の世界に帰りたい…」
――異世界?
「何をあんたが被害者みたいに言ってるわけ!私が被害者なんですけど!私だって、天界に帰りたいわよ!」
――天界?
「こんなんなら、ポンコツ女神じゃなくて、最強の武器とかにすればよかった…」
――女神!?
あの人たちは、他の冒険者たちと何かが違う気がする。
私は、変な服の男の人と透き通るような姿の女の人に話しかけた。
緊張で声が出にくい……
「ん?」
「…と、問いたいことがある。な、汝らのパーティーは魔法使いを欲するか?」
しまった! うっかり、変な口調に……!
このまま貫き通すしか……
話していると、やはりこの人たちは何かが違う。
私は息を思いっきり吸ってから、名乗った――
「妾の名はルミネル! 魔法のエキスパートアビスの一人にして、いずれ伝説となる者!」
妾はインパクトを残したかっただけだけど……
この人たちとの出逢いは、運命を変える始まりだった。
そう――私が、世界に名を残す“伝説の魔法使い”になる物語の。
【あとがき】
読んでくださり、ありがとうございました!
この作品を制作するに至った経緯を話させていただきたいかなと思います。
『ラディアント・バースト=ただただ強い魔法』のイメージをぶち壊したかった!
ただただそれだけです!笑
次回からは本編の十九話から再開します!
お楽しみに!
この作品はどうしても感想いただきたいです!
よろしくお願いします。




