16-2
……暗い。
――ん……あれ、体が……温かい? てか、重い?
「――ん……」
「タイガっ!」
「ようやく生き返ったのね!」
目を開くとみんなが俺を囲んでいた。
そして――ルミネルが俺の上に乗っている。
「おい、お前……俺が死んでる間に――」
「な、何もしてませんよ!?」
「さて、タイガ! 生き返らせてあげたのだから、報酬をもらってもいいかしら!」
「……」
生き返らせてもらったことに感謝はしているが――
「女神の交代を要求しまーす!」
「な、なんですって! もう一回言ってみなさいよ!」
俺の左手をルクスが掴んでいた。
「よかった……よかったよお……!」
「ルクス……ごめんな、心配かけて。みんなも、ありがとな……カグラは?」
ルミネルが指差す。
「大丈夫ですよ!」
「よかった……」
「私の治療がなかったら、もう死んでてもおかしくはなかったのよ!? だから、やっぱり報酬を――」
「やっぱり、チェンジでー!」
そろそろ立ち上がらないと……
「うぐっ!」
腹部に激痛が走った。
「タイガ? どうかしましたか?」
「いや、ルミネル……腹に激痛が――」
「私は何もしてませんよ!?」
「あ、言い忘れてたんだけど……傷が完全に塞がるまで、三日かかるわ!」
「ま、まじで言ってる?」
「マジよ! 女神たる私の治療じゃなかったら、一年はかかる傷よ? 女神パワーのありがたみがわかったかしら! てことで――」
「やらねえよ? 感謝はしてるけどさ、絶対に報酬はやらねえよ?」
「あはは……じゃあ、帰ろうか!」
「ええ、そうですね!」
いつもの日常が戻ってきた――そんな気がする。
「タイガたちー! 早くしないと置いてくわよー!」
「俺とカグラ、あとルミネルに肩貸してくれー!」
「ま、魔力が……」
「す、すまないな……体に力が……」
「傷が開く……」
「なら――報酬を!」
「断る!」
さあ――第二章の幕開けだ!
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