14-1
ある日、ギルドからの直接依頼が俺たちに舞い込んできた。
「モンスターの生態調査クエスト?」
「はい。冒険者の皆様が安定してクエストを受注できるよう、森や平原、湖畔など、この街の近辺に生息するモンスターのおおよその数を調査するんです。今回はタイガさんたちのパーティーにどうかな……と思いまして、私が推薦させていただきました! もちろん、受けるか受けないかは自由ですが……明日までにご返事いただけるとありがたいです。」
「――どうする? 生態調査クエスト受けるか?」
「私は構わないぞ。」
「うん、僕も大丈夫だよ!」
「私もいいと思いますよ。久しぶりのクエストですしね。」
「ああ、俺も受けていいとは思うんだけど……レイは?」
「私たちのクエストって毎回何かトラブルがあると思うの。」
「主にお前のせいだけどな?」
「私はそろそろ学んで、気づいたわ! クエストを受けなければいいんだってことに!」
レイは私は天才だと言わんばかりに胸を張った。
「そうか……じゃあ、一対四でクエストは受けるということで!」
レイが俺の服の裾を掴んで行かせまいとするが、俺たちはクエストに向かうことにした。
「お! タイガ! ミリアさんから推薦されたんだってな! 羨ましいぜ!」
こいつは最近、少し仲良くなった冒険者のギル。役職は剣士なのだが……まあ、ただの熱血バカだ。
「なんか生態調査のクエストなんだとよ……てか、ミリアさんって誰?」
「ミリアさんはあのお前と仲良い受付嬢さんだよ! この街……いや、この国一の受付嬢なんだよ! ところで……俺とミリアさんの距離を縮めてくれ――」
ギルが後ろから殴られた。
「こらあ! またタイガたちに迷惑かけないの! ごめんねー、タイガ! もうまた胃が痛いよ……」
彼女はコットン。ギルのパーティーに属するケモ耳がトレードマークの魔法使いだ。毎日、ギルに迷惑をかけられているので、ストレスで胃が痛いらしい……本当にかわいそうな役割だと思う。
聞いた話だとーー裏では"姐さん"呼ばわりされているらしい……
「ほら! 早く行きなよ!」
「ありがとう、コットン! 今度、何か奢らせてくれ!」
「言質取ったからね!」
ギルドの中は、いつも通りの喧騒に包まれていた。
周りでは、他のパーティーたちも依頼書を取り合っていた。どこも似たように、ギルみたいなバカと、それを止める常識人で構成されているらしい。
さて、今度こそ、お姉さんのところに――
「ねえ、私は? ねえ、私の意見、ちゃんと聞いてた!?」
「ああ、もちろん聞いた上で無視した。」
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