13-2
「ねえ、タイガ! そろそろ、冒険者らしい服装をしたほうがいいと思うの!」
朝ごはんを食べ終わって、だらついていた俺にレイが言った。
「……え? そうかー?」
ルクスがこちらを見て、静かに頷いた。
「たしかに……タイガくんの服装って……変なんだよね。」
「そ、そんなにキッパリと言わないでくれ……」
俺は自分の服装を見る。この世界に来る前……スーパーに行くときに来ていた服。至って普通のジャージ……どこも変じゃないだろ。
「タイガくん……それ、どこで買ったの?」
ルミネルが不思議そうに首を傾げる。
「いや、日本……じゃなくて、俺の故郷の服だ。」
「に、日本?」
ルクスが目をぱちくりさせる。
「自称"真の勇者"が、スーパー帰りの格好で街を歩いてどうするの!」
「そ、そんなこと言ってねえし!?」
「タイガもそういうことに惹かれるお年頃ですしね…仕方ないですよ。」
厨二病のお前が言うなよ……
「どちらにしても、冒険者としての威厳ってものがゼロよ、ゼロ!」
「威厳とか言われてもな……」
そう言う間もなく、レイがぐいっと俺の腕を掴んで、強引に立たせる。
「決まりね! 今日はスウェリア商店街で衣装を新調するわよ!」
「ちょ、待て待て待て! 服とか興味ないって! ほら、カグラとルミネルも止めてくれ!」
カグラは腕を掴み、無表情で頷いた。
「確かに。タイガ、その服では戦場で浮く。」
「お前までかああっ!」
「ふふっ、タイガを魔改造するの……楽しみですねっ!」
ルミネルが微笑む。
「ま、魔改造!? こ、怖いんだけどお!?」
「ぼ、僕も手伝うよ! おしゃれなコーデにはちょっと自信あるんだ!」
ルクスが胸を張る。
「……その自信が一番不安なんだが。」
こうして、俺の意思とは無関係に――
"タイガの衣装改造計画"が始動したのだった。
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