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12-3
――翌朝
目を覚ますと、外がやけに静かだった。
昨日の夜、リアから告げられたこと……それは――
『帰りたくない。自由に生きたい。』
彼女が涙ながらに言ったその言葉は俺の胸に深く突き刺さっている。
階下に降りると、リビングには誰もいなかった。テーブルの上には、湯気の消えた紅茶と、小さな手紙が置かれていた。
『おにいちゃんへ。
ごめんなさい。でも、ありがとう。
わたし、ちゃんと自分の力で飛べるようになりたいの。』
字は震えていて、ところどころ滲んでいた。
――リアは、もうこの家にはいなかった。
でも、不思議と涙は出なかった。
また会える。
そんな気がしてならなかった。
この空は、きっと――どこまでも繋がっているのだから
【あとがき】
リア編が終わりを迎えました……
書きながら、少し涙目になってました、やまぬこもちです。
次回からはコメディ調に戻りますので…テンションの差で風邪をひかないようにお気をつけてください。
では、また次回!
感想などお待ちしております!




