10-1
「タイガ! クエストに行きましょう!」
ルミネルの声で起こされる。時刻は十三時……
「ルミネル。俺はもう少し寝る……」
「カグラー! ちょっと来てください。この男を一緒にしばきましょう。」
「うむ、わかった。」
ジャラ、と鎖の音がした。
「わかった! わかったから! 起きます。起きますからー!」
俺は小金持ちになってからクエストに行く気が少しずつ薄れていた……だって、家もあるし、金もある。ならば、わざわざ命をかける気はしない。
――それでも魔王は倒さないとな、と思っていたのだが……
「いやよ! もう楽して生きていきたいの! クエストなんて危ないことしないで家でゴロゴロしてたいのお!」
はい、女神様がこんな感じなんです。
「な? こんなの見たらさ、クエスト行く気もなくなるだろ?」
「まあ、タイガの言うことも理解できないことはないのですが……」
「ああ、それはお前の言う通りなのだが……」
「二人も、家でダラダラしたらいいじゃない!」
このぐうたら自堕落女神が!
そのとき、ルクスがちょうどリビングへやってきた。
「ルクスからもこのダメ男とダメ女になんか言ってやってください!」
「あはは……ルミネルも僕に難題をくれるねー。じゃあさ! クエストじゃなくて――ピクニック行かない?」




