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この異世界は、ヒーローでありふれている!  作者: やまぬこもち
第04話『方向音痴なネクロマンサー』
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4-3

「……うえあ!?」


 そんな情け無い声をあげたのはスケルトンキングだった。


「え? わしのゴーレム壊されちゃった!? 嘘でしょ? ねえ、嘘だよね!?」


 モルティナに聞いておいてよかった。スケルトンキングが少し腰を引いてるから、弱いんじゃないかと思っていたのだ。モルティナに聞いてみたら、スケルトンは基本的に近接戦に弱いから、遠距離や魔道具に頼る……と言っていたので試してみたが本当だった。


「やった! やりましたよ、レイ様ー!」


「ふん! 今のは女神の奇跡よ! まあアンタもやるじゃないの! ネクロマンサーの癖に!」


と言い合うと、二人でワイワイ喜んでいる。


「…宝は全部くれてやるから見逃してくれ。」


 本当に情け無い。どこかのポンコツ女神が、ちゃんと女神に見えるくらいには情け無い。その上、こいつはまだ威張り続ける。


 モルティナが近づいてきた。


「……あなた、人を何人殺しましたか?」


 モルティナは淡々とスケルトンキングに聞いた。


「二十くらい……」


「その内……冒険者じゃない人は?」


 彼女は鎌を握りしめる。


「三人です……」


 なんだ……モルティナから異様な空気が出ている。さっきまでのモルティナとは何か違う。


「冒険者の方々は仕方がありません。冒険者だって、アンデットを倒しているのですから。冒険者じゃない人を殺したアンデットを私は許しません――」


「いやだ…死にたくない! 嫌だ、まだ死ぬのは……」


「あなたが殺した一般人たちは武器を持っていましたか…? あなたに危害を加えましたか…?」


 その声は氷のように澄み、周辺の空気を凍らせた。


 スケルトンキングは首を怯えるように小刻みに振る。


 そして、モルティナは鎌を振り上げた……そして


「ご、ごめんなさい! も、もう人を殺しません……なので、どうか!」


「言いたいことは――それだけですか。」


 スケルトンキングの命乞いは虚しく、空気を裂く音が響いた。鎌が振り下ろされる瞬間、空気が凍った。


 そして……次の瞬間には、スケルトンキングは灰となって消滅していた。


「さ! 行きましょ!」


 スケルトンキングへ向けられたモルティナの目は普段の優しく、慈悲深い目ではなく、冷徹な目……そんな気がした。

【あとがき】

ついにダンジョン攻略が終わった!って感じです。

さて皆さん今ごろ、ルミネルは何して待ってるんでしょうか…魔力がないから動けなくて、暇を持て余していることでしょう。

ではまた次回!

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― 新着の感想 ―
タイガの前向きさと、レイのちょっとポンコツで自由な感じがいいコンビですね。 二人の掛け合いがテンポよくて、読んでいてとても楽しかったです! 仲間も増えてきて、これからの展開がさらに楽しみです。
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