27-2
空は赤く染まり始めていた。
俺たちはギルドで報酬を受け取り、屋敷に戻ってきた。
「たーまー!」
「ただいまくらい、ちゃんと言えよ……」
「まあまあ、細かいことはいいじゃない!」
「よくねえ!」
「細かい男はモテないわよ?」
「……今日こそは決着つけてやる!」
「最弱職が女神様に勝てるかしら!」
「ああ! やってやるよ! ライトフィン――」
「あああ! スキルはずるいわよ!?」
「ずるいもクソもねえ! 歴史は勝者が作るものだ!」
テーブルを挟んで、俺とレイがバチバチに睨み合う。
後ろではルクスが苦笑し、カグラが呆れ顔で紅茶をすする。
「あはは……ところで、今日の料理担当ってカグラだっけ?」
「いや……私は昨日だ。だから――」
「私ですね。腕によりをかけて美味しいの作るので、期待して待っててくださいね!」
「ああ、期待してるぞ。」
「ねえ、ルミネル! 私も手伝ってもいい?」
「え……で、でも、その……」
「どうしたんだ、ルミネル。メイラが手伝うって言ってるんだから、手伝ってもらえばいいじゃんか。」
「いや、だって……メイラの料理は――」
「よーしっ! 私も頑張るぞー!」
ルミネルが何かを言いかけたが、それを遮るかのようにメイラがやる気満々だ。
台所に駆けていく背中を見て、俺は――なんとなく嫌な予感がした。




