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この異世界は、ヒーローでありふれている!  作者: やまぬこもち
第26話『聖人領主アルフォンス・リーベルト』
105/125

26-4

「……え?」


 家に帰ってくると――すでに工事が始まっていた。


「さすが、貴族ですね!」


「うんうん! さすが、リーベルト家だね!」


「関心してる場合か! いくらなんでも、着工までが早すぎるだろ!」


「リーベルト家は決定からの実行が早いで――良くも悪くも有名な一族だからな……」


「ああ……やっぱりあの人も――貴族なんだな……」


 カンカンカンッ! 金属の音と木槌の音が入り混じる。

 作業員の中にはドワーフの姿も混じっていた。金槌を握る姿は、職人というよりも戦士のようだった。

 

「おい、あの梁もう少し右だ!」

 

「はーい! 急げ、領主様からの直命だぞ!」


 ……いや、直命って、そんなに急ぎ案件のことか?


 作業員がこちらへと駆けてきて、口々に「お疲れ様でした。」と言って、去って行った。


「これ、突貫工事とかじゃないだろうな……」


 建てられた小屋は"見た目"はしっかりしていそうだが、あれほどのスピード工事だし――中身もしっかりとしてるのかよ……


「……貴族って――すごいんだな。」


「そうですね……貴族――すごいですね。」


「ねえ、タイガ! もちろん、その卵は私が温めるでいいわよね!」


「断る!」


「だが、タイガ……卵に魔力を注ぐと強くなる――という研究があるのだが……」


「え……そうなの?」


 さすが、魔法がある異世界なだけはある。


「でもな……レイに渡すと――ないな。ダメだ、絶対にダメだ。」


「ちょっと、アンタね! それはどういう意味なのよ!」


 ルミネルがローブをはらって、いかにも厨二病なポーズをした。


「ならば、私がこの卵を孵化させてみせましょう!」


「いーや、お前も魔力供給だけな。この卵は俺が育てる。」


「えー! ずるい! 僕もやりたいー!」


「む、ルクスずるいぞ。タイガ! 私にもぜひ、やらせてくれ!」


「はいはい……それじゃあ、頑張りますか。」


 ……それにしても、この卵――不思議な温もりがあるな。

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