表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
104/144

第27話『再会の雷鳴と、恋の嵐』(5)

「はあ……本当に何やってんだろうな――俺は。」


 ルミネルの作ったプリンを食べながら、一人で呟いた。甘さが少しだけ胸に沁みる。


「お困りのようですな、迷える冒険者よ。」


 扉にもたれかかる影。

 その声の主は――


「メイラか……?」


「バ、バレた!? バレるの早くない!?」


「早いも何も……声でわかる。」


「そんなことよりも! 何々、さっきのルミネルとの甘酸っぱいあれは! ついにルミネルにも春が――!」


 メイラが一人で百面相をするように、表情をコロコロと変える。


「その顔、どうなってるの……?」


「話を逸らさない! 少なくともルミネルはタイガさんのことを意識していると思う! タイガさんはどうなの?」


「……わからない。」


 本当にそれしか言えない。

 これが恋なのか――それすら俺には"わからない"。

 本心から出た"わからない"だった。


「でも――大切な人であることには変わりない……と思う。」


 そう言うと、メイラは少しだけ優しく笑った。


「ふふっ……それで十分だよ。きっと、ルミネルも嬉しいと思う。」


 彼女の声は、焚き火みたいにあたたかかった。

 俺は空になったプリンの器を見つめ、ぽつりと呟く。


「……少し向き合ってみるか。」


「うん、そうしてみなよ。でも、きっとルクスさんもカグラさんも、それにレイさんまでも……きっとタイガさんのことが――」


「え?」


「ううん。なんでもない……きっとこれからわかることだと思うよ。」


「そうか……?」


 窓の外では、夜風が静かに流れていた。

 月が柔らかく光り――まるで背中を押してくれるように、俺の心を照らしていた。



「ふんふんふーん――」


 鼻歌が響く。


「フェアリー先輩? 急に来たと思ったら……いきなり人間界を見て、どうしたんですか……?」


「ミリアちゃんも見なよー! ……これは"恋"の始まりだよ!」


「は、はあ……? えっ!? こ、これって――タイガさんじゃないですか!」


「タイガって……あのレイちゃんと転生した子よね? ミリアちゃんも気に入ってるって話の?」


 フェアリーは何かを企むように笑った。


「ラブリーには悪いけど……いいこと思いついちゃった!」


「先輩? それって……悪いことじゃないですよね?」


「ふふーん。天界規定は違反しないから大丈夫。ちょーっとイタズラするだけだからー! それじゃあ、ミリアちゃん、まったねー!」


 フェアリーは消えていった。


「全く……レイ先輩に負けず劣らずの無茶苦茶な人なんだから――」


 フェアリー。

 それは“恋”の女神。

 “愛”の女神・ラブリーと、二人で一人の存在――。

【あとがき】

甘酸っぱい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ