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この異世界は、ヒーローでありふれている!  作者: やまぬこもち
第26話『聖人領主アルフォンス・リーベルト』
103/121

26-2

 スウェリアの北東部にある大豪邸。そこがスウェリア地区領主を務める――リーベルト家だ。


「大きいですね……ここで魔法をぶっ放したら――」


「おい、やめろ。それだけは絶対にやめろ。」


「タイガ、さすがに冗談ですよ! 私がそんなことすると思いますか?」


 ――絶対にしないって言えないからな……


「そこの方たち、当家へ何か御用ですか?」


 屋敷の警備兵らしき人が話しかけてきた。


「領主さんから招待を受けてきました。」


「エンドウ・タイガ様でしょうか? こちらへ――」


 俺たちは警備の人に連れられ、屋敷の敷地内へと入った。

 敷地内は花畑が広がっていた。そこには、池があったり、彫刻があったり……とさまざまだ。


「当主を呼んで参りますので、こちらで少々お待ちください――」


「私はすでにここにいますよ。」


「アルフォンス様、失礼しました。」


「いえ、大丈夫ですよ。それに、私だけでは民を守れませんからね。」


 どこか柔らかな雰囲気を放つその男は、優しい声で警備を労った。


「改めて、よく来てくれたね。エンドウ・タイガくん――いや、堅苦しいのはやめようか。君たちは、魔王軍幹部を倒した英雄だからね。私は、アルフォンス・リーベルト。この地区一帯の領主をしている。」


 ……なんだろうな。もっと偉そうで、冷たい人を想像してたのだが――この人を見てると俺の中での貴族像が狂いそうだ。


「えっと……アルフォンス、さん?」


「アルフォンスで構わないよ。」


「では、アルフォンスさん。俺はエンドウ・タイガです。で、こっちが――」


「私はレイ! プロフェットにして、癒しの女神よ!」


 アルフォンスはぽかんとした顔を浮かべる……当たり前だ、初対面の女が突然――私は女神だー、とか抜かすのだから。


「私はルミネルと言います。役職は、魔法使いの最上級職アビスです。」


「僕はルクス。役職はシーク! よろしくお願いします!」


「私はカグラと言う。……よろしく頼む。」


「こちらこそ、よろしく頼むよ。さあ、屋敷に上がってくれ。君たちの話を――ゆっくりと聞かせてもらいたい。」


 大きな扉を開くと豪華な玄関が広がっていた。


「今、お手伝いさんたちにお茶でも淹れてもらいますね。」


「あ、ありがとうございます……」


 貴族がここまで善人ムーブだと――調子が狂うな……

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