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この異世界は、ヒーローでありふれている!  作者: やまぬこもち
第25話『冒険の後は宴会で!』
101/111

25-4

「かんぱーい!」


 ギルドのテーブルを囲み、グラスをぶつける。


「いやー、まさかタイガたちが魔王軍幹部を倒すとは思わなかったぜ……」


「ね、ほんとそうだよね! 駆け出しクエスト失敗してるパーティーとは思えないよ……」


 んぐっ! コットンのその言葉はごもっともすぎて反論ができない……


「魔王軍幹部なんてね、私たちの相手になるわけないじゃない!」


「レイ……調子に乗るな――今回は勝利は偶然かもしれないぞ。」


「アハー! でも、カグラああ……今日くらいはパァーッといこーよおお――」


「ルクス……酔ってますね……」


「ルミネルも飲みなよおお……」


「私はお酒苦手なので――」


「ルクス……酒癖が悪いな――」


「タイガは見るの初めてだったか……ルクスは酒癖が悪い。」


「いや、カグラさん。見ればわかりますよ……カグラは強いんだな。」


「ああ、私はお酒には強い。おい、ルクス、もうそれくらいにしろ。床で寝ることになるぞ。」


「うう……だって、タイガくんがあ――カッコよすぎたからああ……」

 

「ぬあっ!?」


 なんだ、今のルクス――なんか……ちょっとアレだ! そう、アレだ!


「タイガってば、かっこいいって言われて照れてるのね!」


「そうですね!」


 レイとルミネルが揶揄うように笑う。

 

「おい! そこ笑うな!」


 笑い声とグラスの音がギルドに響く。

 あれほど激しい戦いを越えたあとだというのに、不思議と心は軽かった。


「タイガは飲まないの?」


「ああ、俺は……な。」


 本当は少し飲んでみたいとは思っている。だからこそ、タイミングを模索中だ。


「ふーん、そっか。」


「そう言うコットンは飲まないのか?」


「あのバカのせいで毎日胃が痛くてね……」


「なんか、ごめん。」


「うう……タイガ、くん――浮気だ、よ……」


「浮気じゃねえ! まずお前と付き合ってすらない!」


 コットンが横で飲み物を噴き出した。


「な、何がおかしいんだよ!」


「いや、なんでもないよ!」


 今日も、スウェリアの夜は賑やかだ。

でも――この夜が俺の過ごす街だ。

 きっと、まだ――俺たちを冒険が待っている!

【あとがき】

ルクスはお酒に酔うとあのようなキャラになる……これは初期から考えていたことでようやく出せて嬉しい次第です。

さて、この度……累計5000pv! そして、10万文字を突破しました!

皆様ありがとうございます! これも皆さんが見てくださるおかげです。

今後とも完結までお付き合いよろしくお願いします。


それでは! また次回もお会いできることを祈って!

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