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「かんぱーい!」
ギルドのテーブルを囲み、グラスをぶつける。
「いやー、まさかタイガたちが魔王軍幹部を倒すとは思わなかったぜ……」
「ね、ほんとそうだよね! 駆け出しクエスト失敗してるパーティーとは思えないよ……」
んぐっ! コットンのその言葉はごもっともすぎて反論ができない……
「魔王軍幹部なんてね、私たちの相手になるわけないじゃない!」
「レイ……調子に乗るな――今回は勝利は偶然かもしれないぞ。」
「アハー! でも、カグラああ……今日くらいはパァーッといこーよおお――」
「ルクス……酔ってますね……」
「ルミネルも飲みなよおお……」
「私はお酒苦手なので――」
「ルクス……酒癖が悪いな――」
「タイガは見るの初めてだったか……ルクスは酒癖が悪い。」
「いや、カグラさん。見ればわかりますよ……カグラは強いんだな。」
「ああ、私はお酒には強い。おい、ルクス、もうそれくらいにしろ。床で寝ることになるぞ。」
「うう……だって、タイガくんがあ――カッコよすぎたからああ……」
「ぬあっ!?」
なんだ、今のルクス――なんか……ちょっとアレだ! そう、アレだ!
「タイガってば、かっこいいって言われて照れてるのね!」
「そうですね!」
レイとルミネルが揶揄うように笑う。
「おい! そこ笑うな!」
笑い声とグラスの音がギルドに響く。
あれほど激しい戦いを越えたあとだというのに、不思議と心は軽かった。
「タイガは飲まないの?」
「ああ、俺は……な。」
本当は少し飲んでみたいとは思っている。だからこそ、タイミングを模索中だ。
「ふーん、そっか。」
「そう言うコットンは飲まないのか?」
「あのバカのせいで毎日胃が痛くてね……」
「なんか、ごめん。」
「うう……タイガ、くん――浮気だ、よ……」
「浮気じゃねえ! まずお前と付き合ってすらない!」
コットンが横で飲み物を噴き出した。
「な、何がおかしいんだよ!」
「いや、なんでもないよ!」
今日も、スウェリアの夜は賑やかだ。
でも――この夜が俺の過ごす街だ。
きっと、まだ――俺たちを冒険が待っている!
【あとがき】
ルクスはお酒に酔うとあのようなキャラになる……これは初期から考えていたことでようやく出せて嬉しい次第です。
さて、この度……累計5000pv! そして、10万文字を突破しました!
皆様ありがとうございます! これも皆さんが見てくださるおかげです。
今後とも完結までお付き合いよろしくお願いします。
それでは! また次回もお会いできることを祈って!




