第1話 お嬢様と執事
行き当たりばったりで書いていきます。よろしくお願いいたします。
午前0時、そろそろ眠りにつこうというところで佐藤月日の扉をノックする音が聞こえた。
「はい、どうぞ。」
月日はとある屋敷の使用人として住み込みで働かせてもらっており、大体屋敷の主の身の回りのお世話を行っている。当然ほかにも使用人たちはいるため部屋を訪ねること自体、少なくないことなのだが、この時間帯に尋ねるとなれば月日には1人しか心当たりがなかった。
「月日!すごく面白そうなゲーム見つけたの!あなたの分まで買っておいたから早速明日のお昼から始めるわよ!」
「お嬢様、何度も注意しておりますが使用人とはいえ同年代の男性の部屋にそのようなお姿でお越しになるのはやめてください。こんな時間にお嬢様を部屋に連れ込んだと噂を流され肩身の狭い思いをするのは私なんですからね。」
軽やかな寝衣をお召しになり、月日の部屋に乗り込んできた少女は「これこれ」と携帯画面を指さしながら目を輝かせていた。
天王寺舞。天王寺家の次女であり、月日の働いている屋敷の主である。月日とは年齢も同じで、幼いころから交流もあるためもはや幼馴染以上の第2の家族とも呼べるような存在である。
「私と貴方の関係なのだから今更文句を言う人なんてないわよ。」
「世間体を気にするお年頃なのですよ。」
「全く。私は気にしないのに敬語なんか使っちゃって、一体いつから世間体を気にするようなったのかしらね。」
月日に携帯を渡し、そのままベットに飛び込む舞。そのまま布団をかぶり、こちらを誘うように顔を少しだけ覗かせた。
実際、世間体だのなんだの言っているがその実、月日が気にしているのは天王寺家当主天王寺龍臣の存在だった。天王寺龍臣は非常に厳しいお方だと世間では勘違いされているようだが、実際はかなりの親バカである。子供1人1人に屋敷をプレゼントしたり、どんなに忙しくいても週に2、3度は子供の様子を見に屋敷へ足を運んでいる。
特に月日は龍臣と話す機会が多く、毎回のように娘のことを聞いてきたり、自身の娘についての話を聞かせてくれたりするのだ。
「『MONSTERS ONLINE』。なるほど、概要を見るにお嬢様が好みそうなゲームですね。」
『MONSTERS ONLINE』。どうやら世界観とPVPを主軸としたMMORPGゲームとのことだ。SNSを確認してもかなりの人気タイトルらしく、ニュースなどでも大きく取り上げられたこともあるらしい。
「いろんな種族になれるらしいのだけれどやっぱり『魔族』が良いと思うのよね。」
『魔族』は進化を何回もすることでステータスを強化するらしく、他の種族と比べても成長は遅いがその分圧倒的な力を手に入れることができるらしい。
「確かに私たちのスタイルとも合っておりますね。」
「でしょ!ほかにも色々調べたのだけれど……そうね、詳しくは遊びながら説明しましょう。明日まで、何も調べたりしないでそのままの状態でいること!私がしっかりとエスコートしてあげるから!じゃあおやすみなさい!」
怒涛の勢いで返事をする間もなく扉を開けて出ていった舞。月日は調べるなとの主人の命令を守るためそのままほんのり甘いにおいのする布団に入ることとした。
『お嬢様が使用人の部屋にお忍びで入る』シチュエーションってたまらなく良いと思いませんか?恋愛に無知だったり、立場だからと相手のことを無理に思いやって気持ちを押し殺して平気な顔で顔に出ないようにしているのとか体中のブドウ糖が爆発四散して砂糖を錬金して吐き出しませんか!?
これが他の使用人にはバレバレだけど当の本人たちは気づいていないとかだったら地球を砂糖で埋め尽くすことだってできますよ!
そんなこと考えながらちまちまと書いていきます。よろしくお願いします。
皆さんの砂糖錬金甘々癖話と誤字報告お待ちしております。