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家出

わんわん王国に1人の甘えん坊かつお調子者な公爵家の子息が居た。


サラサラした茶髪、緑の瞳のやや吊り上がった目を持つ美形だが、悪役顔の男の子だ。


これはわんわん王国のドリアン公爵家の嫡男で単純でダメダメなドドンパ・ドリアンが7歳の時に書きはじめた日記である。




4月7日

今日から日記をつけることにした。

僕はドリアン公爵家のドドンパ・ドリアン。


そんな高貴な身分である僕は今、家出を企てている。

理由は単純。

僕には怖いお母様がいる。

お母様は怒らせるととても怖いんだ。

この前も僕が木登りして、泥だらけになって帰ってきただけでお母様は激怒した。

「ドドンパ!また貴方はこんな時間まで木登りなんかして!お洋服が汚れるでしょう!」

「だって、木の上から見る景色は最高なんだもん。それにこの服は汚しても大丈夫なやつだし」

「そういう問題じゃありません!」

と。その後お仕置きとしてお尻ペンペンされた。

あれは痛かった。

なので、僕は家出をすることにした。

お母様のいない場所へ逃げるのだ。


お母様、さよなら!


4月8日

家出には成功したものの、行く宛が無い。

なので、僕はとりあえず王都にいる。



「おい!お前、金目の物を置いていけ!」

「え?僕お金なんて無いよ?」

「嘘つくな!」

「本当だって」

「ならその服でも置いていけや!」

と、僕が家出をして1時間後、僕はチンピラに絡まれている。


「……脱ぐの?」僕は顔を赤らめながら聞いた。

「あぁ!そうだよ!早く脱げ!」

とチンピラが急かしてくるので僕は仕方なく服を脱ぎ始める。すると、周りの通行人達がざわつき始めた。

「お、おい……」「あの子……」「ああ……かわいそうに……」と口々に話し出したかと思うと彼らは一斉に僕を哀れみの目で見始めた。

それもそのはずだろう。何せ僕は今パンツ姿なのだから。

しかもこのパンツはお母様に買って貰ったお気に入りなのだ。

そんなことを考えているうちにチンピラは僕のパンツに手をかけようとした。

「やめてよ!」と僕は声を上げるも聞き入れて貰えず、遂にパンツまで脱がされそうになる。

しかしその時だった。

「おい!何をしている!?」という声と共に1人の騎士が現れたのだ。

その騎士は僕を助けてくれた。

その後、僕はその騎士に連れられて騎士団の詰所へと足を運んだ。

「君……大丈夫かい?」と優しそうな口調で話しかけてくる騎士に僕はこう答えた。

「うるさいぞ。おばか。あそんでたのがわからないのか?」

「え?」と驚いた表情をする騎士を無視して僕は涙目で続けた。

「さて……早く帰ってお母様に慰めて貰うぞ」

「え?ちょっとまて、君……君は一体何者だ?」と騎士が問うてきた。

「僕はドドンパ・ドリアン」

と僕は答えた。すると、騎士は信じられないといった表情をしながら僕を見てきた。

「ドリアン公爵家の……?それは本当か……?」

「ああ……本当だとも」と僕は答えた。すると騎士が騒ぎ始めた。

周りの騎士達も驚きの表情をしている。

そして、騎士団長が僕の目の前に現れこう言った。

「ドドンパ・ドリアン殿……今すぐ王宮まで来て頂けないだろうか?」

「やだやだやだやだ!!!!!お父様にまで叱られる!僕嫌だ〜!」

「駄々をこねるんじゃないよ。早く来なさい」と騎士団長が言ってきたので仕方なくついて行くことにした。途中で騎士団長から服をもらって着させられた。

王宮に着くと、僕は応接間のようなところに通された。

そこには既にお母様も座っていた。

「ドドンパ・ドリアン様ですね?」と執事らしき老人が聞いてきたので僕は返事をした。

「はい……」と答えるしかなかったのだ……なぜなら、目の前には怖いお母様がいるのだから……

そんなことを考えているとお母様が口を開いた。

「ドドンパ、なぜ家出を?」

「だって……だってぇ……!毎日毎日お尻ペンペンばっかりで痛かったんだもん!しかもそのせいで僕のお尻も真っ二つに割れちゃったじゃないか!」

と僕は泣きながら訴えた。するとお母様が笑いながら言った。

「あらあら……でもそれは貴方がいけないことをしたからでしょう?それに、貴方のお尻は元々割れているわよ」

「割れてなかったもん!綺麗なお尻だったもん!」

「はいはい。わかったわよ」

「信じてないでしょ?」

「いいえ?信じてるわよ」

「ならちゃんと見てよ!ほらこのお尻を!無惨に真っ二つ!お母様のせいだ!」

と僕はお母様の目の前に自分のお尻を突き出した。

お母様は僕のお尻を見て言った。

「そうね……可愛らしいお尻ね。まるで叩くために作られたかのように美しい形だわ」

「ちがうもん!僕のお尻は叩くために作られたわけじゃないもん!僕は叩かれるために生まれてきたんじゃない!」

「はいはい。わかったわよ」

「わかってない!」

と、僕はお母様に怒りながら言うも、お母様はニコニコしながら僕の頭を撫でてくるだけだった。

僕は頬を膨らませながらもお母様に甘えた。


すると、お母様は優しい声でこう言ってきた。

「ドドンパ、貴方はこれからどうしたいの?何がしたい?」

「僕……家出はもうこりごりだよ……」と僕は涙ぐみながら言った。するとお母様が僕のことを抱きしめて慰めてくれた。

「そうよね……もう家出はこりごりよね……」

「うん……」

と僕は小さく答えた。

「お母様、今夜は一緒に寝て」

と僕は言った。

するとお母様は優しい笑みを浮かべて答えてくれた。

「いいわよ」と言ってくれたので僕は嬉しくなってつい笑みを浮かべてしまった。

そして、その夜はお母様と一緒に寝たのだった。

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