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あなたとみた、あの星空に。  作者: 半崎いお
24/32

巣作りしたって腹は立つ

そのまま、軽く現状、そして今後とこれからのお話を伺った。

とりあえず、自室が既に用意されているとのことなので、

今日明日はゆっくり体を休め、明後日から予定が入るとのことになった


謎の玉については、わたし以外にはさわれないことがわかった。

とりあえず、神様の力がやたらに濃く含まれているらしい、とだけ

とんでもない代物そうなので、肌身はなさい方が良いだろうという結論に達したので

取り急ぎ、侍女さんにやり方を聞いて首にかけらるような紐を作ることになった。

この世界では、護り玉を常に持ち運ぶなどということはよくあることらしい

意外と楽しかった。



+++++++++


なんだか、奥様時代よりもすごいおもてなしを受けてしまった気がする……


完璧にわたしの好みにしつらえられれた居心地の良い部屋は居間と寝室に別れている

(お気に入りだった絵や本、家具まであってびっくりした。

オーダーメイドして持ってたものまで既にあるってどういうこと?)


体に良さそうで好物だったものばかりの美味しい夕飯

至れり尽くせりのお風呂を終えてから、寝室に入った。

ふかふかのお布団、着心地のいいわたし好みのシンプルな夜着

……新品の匂いだけど大好きだったぬいぐるみたちまでいる

ジョルジェさまが、わたしが寝込んでいる時にお供えのように置いておいてくれたものと聞いていたけど。


そして、枕元には小さな紙でできた小鳥

昔も、よく届けてくれていた可愛い小鳥。



ジョルジェさまのループは何年も前からだときいている

前の人生をここまで彼が覚えていてくれたなら、こんなに嬉しいことはない。



「本日はごゆるりとおやすみください」と告げられ、侍女たちが退出したら一人になった

扉の外に人の気配があるような気がするけれど、護衛さんか何かだろう

信じられないくらいの、静かで穏やかな、この世界の初日。



布団の中で、ゴロゴロしている。

大好きな大きなクマのぬいぐるみを抱いても、おちつかない

同じものなのに、まっさらな、新品の匂い。

どこもかしこも、新品の匂いがする、見慣れない、ひろい部屋

昨日の夜まで、あの人の体温を近くに感じながら寝ていたのだから仕方ないのかもしれないけれど

まっさらの、におい

おしよせてくる、不安感



子供染みているな、なんて思いながらも、おふとんとぬいぐるみたちで堤防を築く

自分の周りに壁を作って、巣のように丸まろうという魂胆だ

子供の頃からの儀式のようなもの

こうやって、まるまるくるまっていたら、すこしはほっとできるから。


昔のこと、普通の日本の女子高生だった頃のことで思い出せることはほとんどないけど

子供の頃のこういうことはなんとなくなら、思い出せる。

ママの顔、通っていた学校

何もかもがものすごい遠い記憶だ。

わたし、どうなっちゃって、どうなっていくんだろうな

昼間とは違う種類の涙だった。こんなに出るなんて知らないよ。

部屋にあった綺麗なハンカチを使うには忍びなかったけど、この世界にはティッシュなんてない

真っ白のレース付きとかいくらするんだよって思うけど

他に鼻水をふけるものが存在しないんだから仕方ない。



何に怒ってるんだかわからないけど、無性に腹が立って、「ちくしょう」ってぼやいたとき

コツコツ、と、明らかな音がした。







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