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ハイエルフ様、生き急ぐ  作者: えだまめのさや
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初めてのお友達(樹木)

 こっちの話、とけむに巻く。

 ちょっと領土がほしいからと魔人族総出でエルフの村にけしかけたこと数度。いくら強力な魔法を使えるエルフとは言え、数の暴力に勝るものはない。

 そんなことを思い出しながら、モグラが手際よく大木を木材にして小屋を建てていく様をぼんやりと眺める。

 建てるのはもともと小屋があった場所。元の小屋はモグラによって一瞬で潰され、使われていた木材はそのまま地面を固める材料となって整地される。

 視界の端には格上げされた大木から切り出された木材が積み木の様に積まれ、モグラによってその場で加工され、建てられていく。


『貴女、変わってるわね』

「よく言われたよ。数百年も前の事だけどね」

『なあに貴女、友達いないの?』

「——ぐっ!」


 いやいいんだ。ハイエルフは孤高の種族。

 友達なんていなくても生きていける。

 決して寂しいからとかいう理由で魔法を極めて友達作りに王都に行ってそのまま騎士団の魔法部隊の長にまで上り詰めたとか、そんな事はあった気がするけど無かった事にした。


「今になってみれば、あれが魔王への第一歩だったんだなぁ」

『魔王?』

「なんでもないさ」

『……ふうん。まぁ貴女に友達がいないのはどうしようもない事実だけれど、友達なんてその気になれば簡単に作れるわよ』

「簡単に、とは随分言ってくれるじゃないか。友達がホイホイ作れたらこの世界はもっと平和になっていたよ」


 もし魔王になった最初の切っ掛けが「友達が欲しい!」というまさかの理由だったら、の話だが。


『簡単よ。私とお友達になってください、って言えば済むことじゃない』

「……言えたら苦労しないんだよ」

『じゃあ私から言ってあげる。私とお友達になりましょ。きっと楽しいわよ?』

「——っ」


 * * *

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