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家族は何も買ってこなかった

作者: さとう あか
掲載日:2022/08/19

閲覧ありがとうございます。


 実の親が倒れた。


 すぐさま救急車で運ばれて処置を受けた。


 命に別状はないということだったが安心はできなかった。


 心配だ。でもお腹はすいたし、喉も乾いてきた。こんな非常時だけど体は補給を望んでいるようだった。


 でも、心配で親のそばを離れることはできなかった。


 知らせを聞いてやってきた夫と娘が近くのコンビニで何か買ってくるという。


 一緒に残る息子はサンドイッチがいいと言ったが、私はいらないと言った。とてもではないが何か口にできるような状態ではなかったのだ。夫は何か食べた方がいいと進めてきたが、私は大丈夫だと言った。夫と娘は顔を見合わせてコンビニへと向かった。


 少し経つとやっぱりいらないって言ったけど少しくらい何か飲んだ方が、食べた方がいいのかもしれないと思った。夫がすすめたせいだわきっと。


 いらないって言ったけれど、きっとあの二人は気を利かせて何か買ってきてくれるわね。だって家族だもの。










「お母さんの分はいっか」

「だな、いらないって言っていたし」

「なんか買っていくと『いらないって言ったのに!』とかいわれそうだし」

「あはは、確かにそうだ」

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