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厳選詩集

命のその先に在るモノ

作者: 白夜いくと

気が付いたら生れていた私です

命の価値にも気づかずに今を過ごしています


ねぇ神さま

どうして私を地球(ここ)に存在させたのですか

訊いても返事はいただけないようです


何か使命があるのではと思った時期もありました

不思議な力が宿っていてこの世を変えられるとも

考えたことがあります


誰にも負けたくない

負けない能力が私にある

私にしか出来ないことが有るはず


大人になっていくことに慣れすぎて

そんな感情も消え失せて自分自身を諦観する日々です


気が付いたら生れていた私です

命の価値すら分からず今を過ごしています


ねぇ神さま

どうして私を地球(ここ)に存在させたのですか

訊いても冷たい風が耳を通り抜けるだけのようです


誰の役にも立てなくて何の価値もないと思う時期もありました

不思議な力なんてなくてこの世に流されて生きていくだけなのだとも

考えたことがあります


比べることに疲れた

勝負にならない現実がある

私に出来ることは誰にもできるんだ


大人になっていくことに慣れすぎて

そんな感情が芽生えて自分自身を責め立てる日々です


それでも未だ心のどこかで信じています

私が選択しないままの未来を


たった一歩の勇気が足りないのです

若かった頃に簡単に踏み出せた無謀な一歩が怖いのです


拙い想像も現実的な思考に笑われて

まるで今までの全てを否定されているような気がして

心が傷むのです


そんなでも美しいモノはこの世に沢山あって

それらは私の枯れた灰色の目を潤してくれる

だから少しでも感動を何かの作品にしたいと思う


そんな私は変ですか


ただ生れて死ぬには面白くない世界です

この世には幸せや悲しみが溢れすぎている


それを詠うことは許されるでしょうか


誰もが主人公で誰もがぞんざいに扱われて

また大切に扱われるそんな曖昧な世界


死にたいという人が居たら

生きたまま(ふみ)として焼き付けたいのです

だからあなたの命を私にください

あなたの観たモノ全てを私にください


命のその先に在るモノを描きたいのです


死んだらダメだとか簡単な問題でしょうか?

人の迷惑になるからいけない事でしょうか?


ひとりひとりの物語が途切れることは

何だかとっても切ないことだから

私があなたの代わりに物語ります


だから

あなたの命を(あずか)らせてください

私の小さな心の器で受け止めて

こぼれ落ちたモノを大切に描きます


寒くて冷たくて痛くて

ベッドのぬくもりだけ感じるような日でも

文字を見てあたたかな気持ちになるような

そんな言葉の力をどこかで信じている私です


命のその先に在るモノを描きたいのです

どうかどうかこの願いが叶いますように……

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― 新着の感想 ―
[一言] 命とはつまり小説のことですね? 満足のいく作品が書けるよう、祈っております。
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