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プロローグ

そこは住み慣れた我が家、6畳一間のアパートの一室ではなく、ただただ真っ白な空間


「お気づきになられましたか?」


振り返ると、スーツを着た中年男性が一人


「あなたは誰です?」


「突然お呼び立てしてしまい、申し訳ありません。私はこういうものです」


そう言って名刺を差し出す


【運命を司る神(仮) 山田信道】


「神様なんですか?」


「ええ。おっしゃりたいことはわかります。神様らしくないでしょう?」


苦笑いしてハンカチーフで汗を拭う神(仮)は、どうひいき目を見ても、どこにでもいる日本人サラリーマンの風貌


「まあ、神様にも、いろいろあるのでしょうね」


「そう言って頂けると、こちらとしても助かりますはい」


「ところで、ここはどこですか?」


「はい、こちらは地球とは別の次元に存在する空間の一室でございます」


「はあ」


よく分からないが、再度尋ねるのも面倒だったので曖昧な返事をする


「突然のことで混乱していらっしゃることはごもっともなことでございます。ただ、すこしばかり私の話を聴いて頂けませんでしょうか?」


神を名乗る人物にしてはずいぶん腰が低い


「ええ、説明をお願い致します」



神を名乗る山田という中年男性の話をまとめると以下のとおり


①7日後に死亡することが確定した俺

②同時に【残りの寿命10年】が存在する俺

③このままでは帳尻が合わないため、異世界でその10年を過ごした後、死亡してもらいたい


とのことらしい。


「…そんなことがあり得るんですね」


「こちらの不手際でご迷惑をおかけしてますので、異世界へ転移する際には、何か一つ【チートな能力】をと考えております。いかがでしょうか?」


どうやら、本当に困っているらしい


「ちなみに、私が向かう異世界はどのような世界なのでしょう?」


「はい、それはいわゆる剣と魔法の世界と言われる世界でございます」


「それって危ないんじゃないですか?」


「そのための【チートな能力】でございます。今回はこちらの不手際でございますので、ピンからキリまである能力の中でも、できうる限りお客様のご要望にお応えいたします」


雲行きが怪しくなってきたことを敏感に察知したのであろう山田(神)は、これでもかとすり寄る


「それじゃ、最近眠れないことが多いので、【眠り続けることが出来るチート】をください」


「眠り続ける、のですか?」


「ええ。その異世界で過ごす10年間、誰にも煩わされずに眠り続けるチートな力を」




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