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ステラの箱庭  作者: Arisa
フェリシアは勇者になる
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201911291000

これは11月29日のことでした。

この日はユイシアさんは休みではなかったのですが、たまたま訪れたゼノアートの冒険者ギルドの依頼をみて、絶句しました。

なんと、ノースホール村の平和なはずのダンジョンの攻略依頼があるのです。それもAランク以上推奨。

「どういうこと?あの農地のダンジョンはこの前攻略したはずだし・・・」


とりあえずまたノースホールへ行ってみましょうか。


・・・するととんでもないことになっていた。

村が壊滅状態だったのだ。


「たった2ヶ月でこんなことに・・・ありえない」

真相を確かめるためにダンジョン攻略を開始します。


すると、なんと第一階層にボスがいるんです。

確かこのダンジョン、前に来た時は10階層だったはず。


どうやらダンジョンボスが異常を起こして、村に出てしまっていたようです。

(これ、ダンジョン入り口や各階層にきちんと結界を張ることで防ぐことができるんですよね。新米魔王には頭が下がりません)

しかもダンジョンボスがSSランク相当の強さになっていたんです。


まあ私なら一撃で倒せるんですけどね。


それにしても平和なはずのダンジョンにSSランク相当のボスがいたなんて・・・驚愕だった。


この元々平和だったダンジョンはできれば、ライゼン城のように結界を張るなどの対策をしたかった。ダンジョンそのものを消したくなかった。

でも今回はダンジョン攻略依頼がある。消すしかなかったのだ。


仕方なくダンジョンコアを破壊、ダンジョンを消滅させた。


残念なことに、生き残っている村人はほぼいなかった。

本当に悲しいよ。もし私が気づいて中央のダンジョンも攻略していれば・・・と後悔もあった。

でも起きてしまったことはしょうがないのだ。未来を生きるしかない。


それに、私はもう過去には戻りたくないからね。


これからは、この被害を防ぐためにも、平和なダンジョンを見つけたらきちんと結界をかけていこうかな。


————


次の日。

ユイシアさんが休みの日ですね。


「あれ、今日は直接ダンジョンに行くの?」

「そうなんです。ちょっと色々やりたくて」


そう、これからは竜球中の平和とされているダンジョンを一つずつ周り、魔物が出ないように結界を張るんです。

そうすれば万が一暴走した時の被害に遭わなくて済むんです。

「でも、ダンジョン一つずつ探すというのは気が遠くなるような」

「その点は安心してください。ギルマス(お父さん)に平和なダンジョンの大まかなリストをもらいましたので」

「そういうことか」


こうして、時間があれば結界を張る作業を繰り返していきました。

そんな時でもライブの準備はきちんとやっているので安心してくださいね。


-—


そして迎えた運命の12月12日。


ミロアルにあるサロバッド王国の王宮。

そこで、国王より正式に勇者の称号を授かりました。


そして私はパレードに出ます。

今回、ライゼン討伐記念パレードがサロバッド王国、そしてデモンズ討伐記念パレードがケーブル王国それぞれの王都で同じ日に開催されています。

うまく日付調整できなかったかな?とちょっと思いました。


あ、ジンさんです。あの時ライゼン城で会いましたけど、あの時よりも笑顔になっていました。


さて、そろそろパレードも終わりになり、今度は夜の祝賀会に参加。

お祭り騒ぎは深夜まで続きました。


もう23時でした。

なので、王宮の特別な宿で泊まることになりました。


でも、私は。

個室にセーブポイントをしかけ、さらに転移門経由でユイシアさんの家に向かいました。

ユイシアさんにも祝ってもらいたいからね、というよりみんなと集合したい・・・というのが正しいかな。

「フェリシア、勇者おめでとう!」

「ありがとうございます!」

「フェリ、勇者おめでとう。」

エミリアさんもこっちに来てくれました。

「エミリアさんもいたんですね!お互いおめでとうございます」


そして、ひなたちゃんも揃って全員で記念写真を撮りました。


・・・みんなありがとう!


---------

そして、次の日。


ユイシアさんがあることを気にしていたようです。

「そういえばさ、君はダンスもそうだけど、そもそも君の動きがすごい早すぎる気がするんだ。そういえば君は100m何秒なんだ?」

「そう言えば測ったことないですねー」

そうだった。走る速度自体どれくらいなのかおおよそでしか知らなかった。


・・・ということで、私たちはステラ・ホームの庭にいます。

まあ、私がどれだけの速度があるのかを明確にしたいと言う話ですね。

ちなみにユイシアさんは100m15秒程度とのこと。100mは328ftです。

私はというと。

身体強化魔法なしでも100m7.5秒。

およそ2倍の早さでした。

「えっと、君は世界記録保持者より早かったよ。君が地球に住んでいたら間違いなくギネス世界記録になると思う」

「あーそうなんですね」

4000年の間に相当鍛えられていましたね。


そんなこんなで話が進み、今度は握力測定ですね。

握力は、ユイシアさんが24kg、私はというと10倍の240kgあるみたいです。

そして体の柔らかさ。

私たち、相当体が柔らかいですね。だって二人とも180度開脚して上半身を地面につけることができましたから。


ちなみに肺活量・・・ユイシアさんは5000mlですが、私はというと測定できませんでした。

肺活量が計測できる領域ではない、ということですね。


その後は別の場所に移動して、またダンス動画を撮ったりしていました。

「今更なんですが、竜球でとった動画、地球上に公開してもよかったんでしょうか・・・」

「いいと思うよ。動画の視聴者たちは何も気にしていないからね。せいぜい地球上のどこか、だと思っているよ」

----

そして夜。


久々に浴室内で髪を広げます。

もちろん浴槽に入れませんよ。だって痛むから。

メイドドールたちが私の髪を洗っている間、私は浴槽に入りお風呂を楽しみます。

でもメイドドールたち700人動員しても、洗って乾かすまで4時間かかります。

(私一人で洗うと1ヶ月はかかります・・・)

なので普段洗うことはあまりしないで、髪留めの自動洗髪で済ませるんです。



もう"40"16歳になりましたので、ここでバッサリ髪の毛を切ることにしましょうか。


髪の毛を洗い終わり、乾ききったころ。

私はお風呂から出るなり、地面に着くギリギリのところでバッサリ切りました。


私が切った髪の毛をアイテムボックスにしまいました。

きっと私の髪の毛が欲しい人もいると思って売ろうと思っています。


そして、次の日。

私はイリオゴストのギルドで"私の髪の毛であることを隠して"素材として売りました。

「なんだよこの細い毛・・・・みたこともない」

倉庫の人たちあんぐりしていました。


----


しばらくして、エミリアさんから大はしゃぎの連絡がありました。

「大ニュースよ!今までの魔法の概念を覆した鎧が登場したのよ」

「魔法の概念を覆した鎧?」

「そう。この鎧、神竜族の5倍の魔力を貯めることができるのよね。」

「神竜族の5倍!?すごいじゃないですか!。」

「それだけじゃないのよ、実はこれ、10万着も作れるらしいの。これは現在生息する神竜族よりも多いと言われているの。」

「10万着・・・!?」

「そう、10万着。・・・これ、原料の一つとされる細くて長い毛が10万本あるというのが理由らしんだけどね。とにかく、神竜族は人間に倒される可能性のあるということになったのよ。」

そう、時代に合わせてどんどん生物の優位性が変わっていきますね。

4000年を見ていてもそうでしたから。


-—


そして、あれから半年後。

竜球上の全てのダンジョンは入り口に結界があるようになりました。

そして危ないダンジョンは全て無くなり、冒険者のダンジョンにおける役目はほぼ終わったように思います。


まあ人はそれを魔王がいなくなっただけ、と言っていますが、実際は私が結界を張っていったんです。


そうそう、結局のところ、魔物を地表に流出させて、結果的に他の魔王を生み出した原因は私らしいので、これは謝らなければならないですね。

(誰にも信じてもらえないと思います)


-—


そして・・・今度は私の創造スキルを生かして、人々の生活を変えましょうか。

本編はこれで一区切りとなりました。

今まで読んでくださってありがとうございました。


最後にもう一つEXTRAを投稿予定です。


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