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ステラの箱庭  作者: Arisa
フェリシアは勇者になる
55/57

201910210930

21日。


メリングーンのギルマス(お父さん)に呼ばれたのでメリングーンの冒険者ギルドに寄って話を聞くことに。


「フェリシア・・・聞いて驚くなよ、お前は国王より直々に勇者の称号をいただけることになった」

ふぁい?私が倒したのはあくまで新米の魔王だ。大魔王でもなんでもない。

「フェリシアがゼノアートで出したあの魔王の王冠。確認したところ魔王ライゼンのものであることが判明したからだ」

え?ライゼンの魔王の王冠などないはずだ。なぜなら、ライゼンは正式な魔王ですらない。だって私そのものだからね。

「実は研究の結果だな・・・フェリシアの倒した新米魔王こそ、魔王ライゼンだったのだ」


そのことを聞いてはっとした。

そう、私がずっと持っていた魔王の王冠、これこそ魔王ライゼンの王冠とされていたようなのだ。


そうなるとだ。あのライゼン城の扱いは・・・

「そうそう。国王からの伝達だが、"あのライゼン城を含む土地一帯は一度サロバッド王国の領土とした上で、フェリシアにその土地一帯を授ける"とのことだ」

どうやら正式にライゼン城が私のものになったみたいです。

「そしてライゼン城にある宝石類は原則フェリシアのものだが、ライゼンが保有する魔王の王冠だけは国がいただくと言うことだ」

・・・魔王の王冠は国に召し上げなんですね。しょうがない。


----


もう魔王がいないことになったので、あることをします。


ライゼン城に誰か入っていないかを確認します。

やっぱり1人いましたね。強制脱出させましょう。


「あれ・・・俺はさっきまでライゼン城にいたんだけど。君は確か、イリオゴストの受付嬢だったよね」

「はい。今は違いますけどね」

「それにしてもライゼン城から追い出されたということは・・・・」

「そうです。ライゼンはもういなくなりました。」

「そうなの!?いったい誰が・・・」

「一応私ということになっていますけどね」

冒険者さん、あんぐりして帰っていきました。

確かあの冒険者・・・私思い出しました。Sランク冒険者のジン・ジェフレッドさんでしたね。


そして、仕上げに私以外誰にも入らせないようにダンジョン入り口に厳重な結界を張ります。

魔王がいないことになったので、もう人にライゼン城攻略ということはさせないようにするためですよ。


----


そしてしばらくして、私の誕生日の前日、11月16日になりました。


エミリアさんからチャットが来ました。

「久しぶり!」

「エミリアさん久しぶりです!」


もちろんチャットで済むわけがなく、アトリエに行きましたよ。


「ようやく国軍との密着状態が解消されて、自分の宿舎に移動できたわ。」

「よかったです!そうそう。一つ報告があります。私、12月12日に勇者になることになりました」

「え・・・そうなの!?おめでとう!じゃあ一緒に勇者になれるの?実は私も12月12日に勇者の称号を与える式があるのよ」

「日付も一緒とは奇遇です!私はサロバッドの王宮で式に参加するのですが、エミリアさんもその場所ですか?」

「それが私は全く別の場所なのよ。国が違うわ。私はケーブル王国の王室ね」

「じゃあ、互いに参加はできないということですか・・・」


「そういえばフェリ。あなたどうして勇者になれたの?と疑問に思っているのよ。勇者になれると言ったら今だとライゼンを倒すことぐらいだけど、あなた自身を倒せるわけがないからね・・・ってまさか」

「そうなんです。実は新米魔王の王冠をライゼンの王冠と誤認されてしまっているんですよね」

「そういうことなのね。わかったわ。」

「まあ領土は今まで通りなので大丈夫なんですけどね。」


ちなみにアトリエも、ついでにマジック・フライデーもライゼン城の領土の扱いになっていますので、これからもこのままです。


————


そして次の日。


そう、私の誕生日です。ギルドカード上では16歳です。

でも4000年前に一旦タイムトリップしたので、実際の年齢を重ねる日がちょっとずれていると思ったが・・・・時計を確認したらずれていなかった。

本当に日付も含めてちょうどピッタリちょうど4000年前だったんだ。

つまり”4016歳”ですね。


それはともかく。


今年のランク昇格試験をゼノアートで受けたので、私は元々ここの昇格試験を受ける予定はありませんでした。

でも10月の色々な件があったので、私がSランク、ユイシアさんはAランク・・・と今日付で昇格となりました。


そして今日はイリオゴストの方でパーティーを開くんです。

なぜイリオゴストの家でなのかって?イリオゴストのみなさんが遊びに来るんですよ。

元々のイリオゴストのギルド職員たちに加えて、同級生たちなどもきます。

もちろんエミリアさんたちも来てくれます。

ってユイシアさんも!?


ここでエミリアさんとユイシアさんの再会もありました。


そして盛大にパーティーを開きました。

みんなで記念撮影もしたりしました。


みんな、祝ってくれてありがとう!


-—


そうそう。ここのところ新規発生ダンジョン数が激減しています。

巷ではライゼンが倒されたからとか言われていますが、私としてはデモンズが倒れたからの可能性が高いのではないかと思います。

実際、私がダンジョンを作ったのはここ4000年で一度、ステラ・ホームの下だけですしね。

(確かにそれが魔物発生のルーツとされているんですが・・・)


それもあり、私がダンジョン攻略依頼を受けようとしても、そもそもダンジョン攻略依頼がない、ということが多くなってきました。

やっぱりしばらくダンジョン攻略は控えたほうがいいかもですね。


実はダンジョンというのは悪い面だけでなく、経済を回す意味でいい面もあるんです。

実際、ノースホール村のような平和なダンジョンは経済を回していることが多いのでそもそも攻略依頼には入ってきません。


・・・そう思っていた時期が私にもありました。


————


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