201910121830
もう夜になりました。
さて、ここはユイシアさんのメリングーン側の拠点です。
ここからユイシアさんの家に行くんです。
すると。何やら気づいたようです。
「おい、まじかい・・・青口ダムが満水になったんだ。」
ユイシアさん、感慨深くなっています。
「ユイシアさん、何かあったんですか?」
「いやね、僕の故郷の村、蒼村が完全に沈んだんだよ」
「そうなんですね・・・」
ご存知、蒼村。
まさしく私がりゅうとして竜の祠から出入りしていたあの村ですよ。
ここにダムがようやく完成し、1週間前に水門が閉じられたばかりでした。
それが、今日日本に来ている台風のせいで、予定よりも相当早く水が貯まったんだそうです。
つまり・・・竜の祠は・・・
「本当は今日は蒼村に行こうと思っていたんだ。だけど、この台風。危険だと思って今日はやめておいたんだよ。」
「そうだったんですね・・・」
「こんなに早く貯まるならもっと早く行っておいた方がよかったな。後悔してもしょうがないけど」
「実はだ、その蒼村には"沈まなかった場所ができた"んだよ。僕はその土地を買って別荘を建てようかなと思う。」
「別荘?」
「そう。そこに友達とかみんな集めて、わいわいやるんだよ。でお場所が特殊で、車では到底行けなくて湖経由でしか行けなくなる場所なんだ。まるで孤立した別荘になる」
「へー。孤立した別荘ですか。そういうのもいいですね」
ユイシアさんの将来の野望か・・・
そしてユイシアさんの家に行こうとした時。
「そうだ、せっかく今日の夜はメリングーンで過ごそうかなと思って。」
「え、なんでですか?せっかく行こうと思っていたのに」
「実はね・・・東京が非常事態になったらしくて」
「非常事態?」
「わかりにくくてごめん。特別警・・・いや避難してという合図といった方がわかりやすいかな」
「避難というならなおさらです。家の方は本当にいいんですか?家が壊されるということですよね?ということは大事なものが壊される可能性もあるんですよ?それだったら早速新しい家に持っていくために片付けましょう」
「あのーフェリシア。勘違いしているかもしれないけど、家は確実に壊れるわけじゃないんだよ。確かに風で窓が壊れる可能性もあるにはあるけど・・・その窓が割れる対策はきちんとしているから大丈夫だよ」
「そうなんですね・・・」
ユイシアさんの言葉を聞いて安心しました。
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メリングーンの繁華街へ向かった私たち。
メリングーンの「ゴールドステージ」ですね。
「ここがゴールドステージか。ここもライブやダンスができそうなんだけどね。」
「そう言えばそうですよねー。確かここは、そこそこ安い金額で興行できるようです。」
「そうなんだね。」
「ゴールドステージ」は今日は演劇でしたね。
そして、ここの夜の街を楽しんだ私たち。
私はユイシアさんに奢りました。
すると。
「ありがとう。君に誕生日を祝ってもらうことになるなんてね。」
「は、はい!誕生日おめでとうございます。」
そう・・・実は私、ユイシアさんの誕生日であることをすっかり忘れていたんです。
「ところですでにパーティーとかは行ったんですか?」
「本当は今日やりたかったんだけどね・・・中止にしたんだ。あっちが非常事態だから。だからみんなが都合のつく19日に変更したんだ」
「そうなんですね・・・」
明日にやるわけではないんですね。
結局今日はメリングーンのアパートで寝ましたよ。
「ここで寝るの初めてです」
「僕もだよ」
なぜステラ・ホームなどで寝なかったかって?ただここで寝たかっただけですから安心してください。
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翌朝。
ユイシアさんの家に行ってみました。
「特に問題はなかったよ。よかった」
家は無事のようでした。
ちなみに、メリングーンの冒険者ギルドにおける"ダンジョン攻略依頼"・・・今日はありませんでした。
その流れで、今日は浅草近辺の散策につながりました。
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その中で浅草にある方の「ゴールドステージ」も訪れました。
お昼なので営業はしていなかったですが、オーナーがユイシアさんのお知り合いで、特別に見せてもらいました。
ここのオーナーの野原さんと言う方、もう60近いんですが50歳くらいに見えて少し若々しいです。
「えっと、思ったよりもこじんまりですね」
「こじんまり言うなよ。これでも立派だと思うんだけど」
「えっと、ここで練習とかもできるんだよ。本来はバンドがメインなんだけど、たまにダンスグループも使っているんだ」
「へーそうなんですね。」
「練習とは言っても営業していない時だけだけどね」
・・・と言うことで早速。
私はダンスパフォーマンスを試してみましょう。
・・・オーナーさんもタジタジです。
「君は一体なんだんだ。この美貌にして、このダンス。素晴らしいの一言だ」
「ありがとうございますー」
オーナーさん、私の手を握っていました。
でも、何か気になることがあったようで、私のおでこを手で触りました。
「おい・・・・ちょっと待ってくれ。」
オーナーさん、なんか急いで何かを持ってきました。そして私のおでこにそれをあてました。
「フェリシア、それは体温計だよ。体温を測るんだよ。」
オーナーさん、まずい顔をしています。
「やっぱり早く帰って寝た方がいい。高熱を出している。もし下がらなかったら病院にでも行ったほうがいい」
はい?私は何も体調は悪くないですけど。
と言うより、ステラの木の実を食べ始めてから一度も体調を崩したことがない。
ユイシアさんも体温計を見て・・・安心していた。
「安心していいです。それは僕の平熱ですから」
「しかしだな・・・38度もあるのは流石におかしいと思うんだが」
「この体温で平気な人もいます。実際、僕も38度が平熱ですから。」
「なんだ、君はゆいと同族かい」
そんなこんなで近場散策を行っていました。
隅田公園、浅草雷門、スカイツリー、などなど。
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- EXTRA -
「実はお酒が嫌いなんだよね・・・飲みたくない。」
お酒ですか・・・実は私も飲んだことないです。
どちらにしても私も飲まないと思います。まだ体が15歳のままなので。
「まあ、仮にお酒を買おうとしても、この歳なのに未成年だからといって断られるんだけどね」
確かに18歳くらいに見えてしまう美貌ならね・・・
それにしてもユイシアさん。今日もまた可愛いですよ。
高い位置の左サイドテール(ユイシアさんがこの髪型するのは珍しい)。
それにオフショルダーで丈の長いトップス、プリーツミニスカートにオーバーニーソックス・・・
どう見ても若い"女性"、いやモデルですよ。これが30歳"男性"とはとても思えません。
次回、エミリアの生誕の真相が明らかに?
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