201910061600
SIDE:エミリア
「ゆい、待っていたわよー」
「トオル、待たせたな!」
私とゆいが揃ったので、住居の譲渡手続きへ。
手続き自体はあっけなく終わった。
ただ当の本人がいないと手続き不可というのがちょっと面倒だった。
「これからゆいはどこへ?」
「ちょっとギルマスに呼ばれてね。クロエの件について聞きたいと」
「あちゃー。やっぱりこっちは見つかっちゃったのね。しかもギルマスに」
「そうなんだよ。結構面倒になりそうだ」
ゆいが来る前に、私の方は冒険者ギルドでパーティー脱退はすでに済ませていた。
ゆいの話が長くなりそうなのでアトリエに戻った私。
そして2時間後。
ゆいからチャットが来た。家に戻ったみたい。なのでVC始めます。
実はVCというのをあまりやってなかった。
「なんとかブラックドラゴンの話はまとまった。この件が原因で・・・」
「原因で?」
「次回のランク昇格試験は受けなくていいということに」
「そうなのね。そうなるとランクはどうなるの?E?」
「次回昇格試験の時に自動でAランクになるそうだ。ブラックドラゴンと遭遇して生存していたとかの理由で」
え?なんでAランクなの?
「ちょっと待ってくださいユイシアさん。私がギルドにいたときはこんなルールないです」
フェリも参戦。
「いやフェリシアが辞めた後にルールができたらしいんだよ。魔王やSSランクの魔物を倒したらSランクとか、SSランクに健闘したり生存したらAランクとか・・・」
「なんかケーブル王国のルールと類似していますね・・・まねたんですかね?」
「でも、これはフェリシアがきっかけで新ルールを作ったらしいよ?当時は冒険初心者や低ランク冒険者がブラックドラゴンを倒すことを想定していなかったそうでね」
「だから、私が最初に買取査定をしていた時あんなことを言っていたんですね・・・」
「まあどちらにしてもブラックドラゴンを移動手段として使うのはやめたほうがいいわね。やってみる価値はあるかなと思っていたけど、やはり目立ちすぎたわ・・・」
それにしてもメリングーンは夕方なのに、アトリエはもう深夜。
時差には気をつけないと。
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SIDE:フェリシア
ステラ・ホームは星空全開ですね。
この星空はいつ見ても落ち着きます。
そういえば空飛ぶ竜はいてもなんで空飛ぶ馬はいないんだろう。
馬が空を飛べば、きっと地上を走る馬よりも高速に移動できるのではないだろうか。
あ。そうだ。それだったら空飛ぶ馬を創造すればいいかも。
私はふと思いつきで空飛ぶ馬を創造して召喚しました。
原則的に生き物の創造はできないです。でも魔物として創造の上で召喚はできるのです。
なのでこの空飛ぶ馬も正確には魔物です。
時速2000マイル程度の速度と、その速度を12時間持続できる程度の魔力をもたせます。
エミリアさんとユイシアさんに写真を送りますー。
空飛ぶ馬・・・種族名は「フライングホース」にしようかな・・・と思っていたら。
「これはペガサスだな」
ユイシアさんから返信が来ました。
「ペガサス?ペガサスって、"種族名"なんですか?それとも"この子の名前"?」
「この中でいうなら"種族名"かな」
ユイシアさん、種族名を速攻で考えてくれたみたいです。
この種族名はペガサスで決まりですね。
エミリアさんからもチャットが来ましたね。
「あなたと一緒に写っているのは・・・ペガサスね。」
一目見ただけでペガサスって言うものなんですね。
もしかして地球上にいたの?私知らなかったです。
「それでね、フェリ。このペガサスを応用すれば、移動問題を解消できるんじゃないかと思うの」
「エミリアさんならそういうかもしれないと思っていました。実は私も似たようなことを考えていてこれを創造したんです」
「ふふ、やっぱり創造なのね。実物を見たいから今からそっちに行っていい?」
「いいですよー」
すぐさまエミリアさんがステラ・ホームに来ました。
「これがペガサスね・・・普通の馬とサイズはほぼ同じと。」
エミリアさん、ペガサスをじっくり見ています。
「私、決めました。明日このペガサスでゼノアートへ向かうつもりです。」
「そうね。確かにこの馬で来ましたといえばきっと理解しれくれるはずよ」
「そう言ってはなんなんですが、この方法に一つ懸念点を見つけました。"そんなに早い移動手段があるなら俺たちにも教えろ"と言われる可能性もありますよね?」
「確かにそうね。ペガサスの争奪戦になるわね・・・そうよ!ペガサスはあなたしか操縦できないといえばいいんじゃない?」
「そういえばそうでしたね。」
「もう少し気付くのが早ければ"ペガサスで移動します"と言えたのに・・・」
「それならすぐにでもペガサスで移動しますと言えばいいんではないですか?」
「私の場合はすでに王国の馬車が来てしまっているから難しいかな・・・しかもすでに護衛も馬車に乗ることになっているし」
「そうなんですね・・・あ、でもペガサスはこれから役に立つと思いますよ。ほら、イリオゴストのギルマスに"どうやって早く移動したんだ"と言われている件とかも辻褄合わせができますし」
「そう言えばそうね。そうそう、今の状態で私の分も召喚もできたりするの?」
「もちろんです!」
私はエミリアさんのペガサスを召喚しました。
エミリアさん、ペガサスに"ソラ"と名付けたらしいです。
「いいなあ・・・うちはマンションだから飼えないんだよ・・・というか飼うスペースないし」
ユイシアさんが羨ましそうでした。
ユイシアさん、アイテムボックスがないんですよね。
あ、明日は早いのでもう寝ますね。
時差は恐ろしい・・・
そして翌日の朝、私はゼノアートへ向かうことになりました。
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SIDE:エミリア
翌日。
私は馬車に乗り、メリングーンを去っていった。
まあ昨日のペガサスの方が移動手段としてはよかったけど、ケーブル王国より馬車が直接来ているのでしょうがないのだ。
しかも護衛がいるので下手に転移門を出すのが難しそうな状況である。
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