201910011030
「なんで気になったかというとね、なんか今日のフェリって、魔王の感覚がするのよね。まさかライゼン城にいって、ついでに倒しているわけじゃ・・・」
「そんなことしないです!」
ライゼンと言われているのはズバリ私ですから。自分を倒すということはないのです。
「あ・・・そうなのね。そうすると・・・もしかして最近魔王なんか倒したことある?おそらくその王冠を持っているでしょう?」
結構倒していますよ・・・じゃない。”15歳の”私もタイムトリップ直前に魔王を倒していました。
「実は・・・旅の途中で新米と名乗る魔王を倒したことがあって、その王冠を持ってました。」
私はタイムトリップ後にいくつか魔王を倒していて、それら王冠の大体は「ステラ・ホーム」のコレクションルームに飾っていたんですが、タイムトリップ前の新米魔王のだけは例外的にアイテムボックスに入れていました。
なぜかって?ただ飾ろうかな、と思って何回か忘れるうちに愛着を持ってしまい、ずっと持っていただけです。
「それね。魔王の王冠のせいで魔王の感覚がするんだわ。これ、早めにギルドに報告して報告いた方がいいわ」
「はーい」
・・・あることを思いました。
そもそも、なんで私以外の魔王には魔王の王冠があるんだろう。
気になったので、家に帰った後でちょっと魔法書を開きました。
確認したところ、魔法書には「新米魔王に授ける王冠」の作り方がありました。これを作り、魔物や魔神、竜人、はたまた人間といった、さまざまな生物に渡すことにより、その人を魔王として任命したり独立をさせすることができるらしいです。
・・・あ、これはやらかしましたね。
魔法書の書き方だと、魔王の王冠を持っていればそれだけで魔王と見られる・・・
どうやらそのせいで、私が魔王ライゼンとして扱われていたようです。
私は実際には魔王ではありませんでした。
それにもかかわらず大魔王とされている私という存在・・・
(そして魔王の王冠と言うのは、万が一他者に渡った時には魔王城を時限式で崩れるようにすることもできるようです。だからデモンズ城はあの時崩れたのね。)
ちなみに、その時に魔法書にはある隠されたページがあることがわかりました。
そして、それはデモンズのスキルについてです。
こんなの気づかなかった。
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さてと、今私は国王の別荘予定地にいます。
精霊様に会いにきました。
なぜかって?
魔法書を見て色々気づいてしまいました。
まず、1500年ほど前に、私はサロバッド王国の国王の別荘地に実際に来たことがあるんです。
実はその時点では精霊様はいなかったんですね。
そういえば、まだここは何も工事が入っていないようですね。
今日は人が誰もいないようです。
なので私はちょっと準備して・・・精霊様が現れるのを待ちます。
「精霊様、お久しぶりですね。」
精霊様が現れました。
「はい、フェリシア様。」
「精霊様、私・・・」
「わかっています。エミリア様もユイシア様もあなたのことを」
「エミリアさんもユイシアさんも生きています。」
「そうだったのですね・・・生きていらっしゃったのですね!フェリシア様、お二人をライゼンから救出していただいて、ありがとうございました!では、こちらに戻っていただけ流のでしょうか」
「残念ながら、アトリエは元には戻せません。理由は、ここは王様の別荘が建設されることになっているためです。」
「あら、でもそれはそれで嬉しいです。国王様に会える、ということですからね。で、いつ建てられるんでしょうか」
私の思った通りですね。
1500年前にここを訪れて精霊様と一度も合わなかったのも・・・そもそもここには本当の精霊様は存在しなかったんです。
そうです。
精霊様の正体こそデモンズの"死に戻り"の姿です。
デモンズ一族は、殺されるとこの地でしばらくの間魂が残るんです。"死に戻り"スキルというんです。
これ、一部文献では体も戻るとされているんですが、実態は魂のみです。
そしてしばらく有力者を探します。その有力者に対して「魔王の王冠」を作り、被せることにより次期魔王にさせます。それがすむと魂は消えるんです。
つまり、"死に戻り"のデモンズは勝手にこの地の有力な精霊と名乗ります。
そして適当に話をして、私たちを"勇者様"だとチヤホヤさせて、時期を見計らって多分エミリアさんを魔王に仕立てるつもりだったんですかね。
で、私が「アトリエを移転させた」後は・・・きっと私をターゲットにしていたんでしょう。
しまいには、国王が来るとわかれば国王をターゲットにする・・・わかりやすい。
なので、私はこの場で精霊様に扮したデモンズを倒します。
伝説の名剣「ソウルナイフ」。
これで"死に戻り"を倒せます。
なぜこの剣を持っているかって?これは800年前に、ある魔王を倒したときに手に入れたやつです。
「フェリシア様?何をなさるのですか?」
あらあら、驚いてます。
「はい。ここにいるデモンズを倒すのです」
「デモンス?デモンズはすでに倒されているではないですか・・・」
ビビってる。
「いいえ、ここにいますよ。すぐそこにね」
「あなた・・・・その気配は、もしやライゼン!」
程よい攻撃。
断末魔が聞こえました。
・・・今度こそデモンズの最期です。
報酬?出るわけないじゃないですか。すでに魔王の王冠なんてないですからね。
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私は考えました。
やっぱり”15歳の”私が倒した新米魔王の件だけはきちんとギルドに報告しようと思います。
(コレクションルームにある王冠は出しません。あれ出したら、現時点では新米魔王を倒しただけなのに「どうやってライゼンから盗んだ」と言われかねません)
さて、イーストマーク草原の南にあるサウスリスト村には一応ギルドはあるようでした。
距離的にはイーストマーク草原からサウスリスト村までは100マイルほど。
街道は北ルートより南ルートの方が近いくらい?
"15歳の"私よりも体力はとてもあるので、あの距離くらい本気出せば5分もしないで行けるんですが、流石に環境を破壊するので1時間くらいで行きました。
・・・と思ったんですが。
またしてもやらかすところでした。
よくよく考えると、ギルドで「2日前にゼノアートで試験を受けたはずなのに、なんでここにいるんだ。ここはノースホールどころかゼノアートから2日で来れる距離ではない」となり、揉めそうだなと。
なので、魔王の王冠の件は40日後にゼノアートのギルドで報告することにしました。
ついでに記録上「私はイリオゴストにいる」ことにするからです。その理由はね・・・・。
ちなみに、魔法書に書かれていた一連の魔法。
まさか魔王の王冠を手放すと使えないのでは?と気になり調べていました。
結論からすると、魔王の王冠の所持は特に関係ないので、これからもずっと使えます。
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結局のところ、新米魔王の王冠はまだアイテムボックスに入れたままです。
(決して報告しないと言うわけではないです。)
そして、私はまたアトリエに来ました。
「言い忘れてました。私の家にある転移門・・・」
「そうだったわね。フェリの転移門復活させておくわ」
「はい、ありがとうございます!」
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もう一つ言っておきたかったことがありました。
「それともう一つ。私、冒険者ランクがAになりました!」
「そうなの!?いつの間に」
「はい、実は旅の途中ゼノアートで試験を受けていたんです。ちょうどエミリアさんに会えなかった時だったので・・・」
「いいの。私も一人で受けるわよ。まあ試験を受けることは決めているからね!確かメリングーンとイリオゴストの試験日が昨日あたりに決まってね・・・11月17日ね」
フェリシアはこれで完全に魔王デモンズを倒しましたね。
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