201909081500
およそ1000年ほど前に魔王デモンズ一族が生誕し、つい最近までデモンズ城がここに建っていました。
デモンズ一族という名の通り、魔王デモンズは世襲制でした。
で、それなりに歴史のあり、かつ力を急速につけていた魔王一族は"タイムトリップ前の"私が倒しました。
その後エミリアさんのアトリエがそこにあって・・・史実ではそのアトリエをライゼンが襲うことになっているんです。
私が襲うことはないと思うので、その謎を知りたい。
ということで、私がタイムトリップする3週間ほど前から、私はエミリアさんのアトリエの監視を始めました。
もちろんエミリアさんに気づかれないように遠くからね。
おや、誰かアトリエ近くにきましたね。
あ、バリーさんですね。お久しぶりです。
バリーさん、私たちがかつて壊滅させたゴブリンの住処を見て驚いているようです。
そして・・・バリーさん、ブラックドラゴンを見つけて驚いていますね。
そうですよ、こう見えてSSランクですからね。
バリーさん、なんと逃げて行っちゃいました。全速力で。
どうやら最寄りのギルドに駆け込んだようです。
ブラックドラゴンをデモンズと見間違えてギルドに報告したのはバリーさんだったのだ。
そして、16日後。
アトリエ付近に、冒険者パーティーらしき二人がきたのだ。
誰だろう、この人たち?少なくともイリオゴストのギルドには来たことがない人たちだった。
何かひそひそしていそうなので話を盗み聞きしてみよう。
「ここか。魔王を目撃したとされる場所は」
「この辺だな。ここからは慎重に行こう」
この調子、ブラックドラゴンを魔王と勘違いしてますよ。
「魔王デモンズの真の姿が竜?俺はそんなのあり得ないと思うな。考えてみろ・・・」
あーブラックドラゴンが魔王でないことに気づいてくれたんですけど、完全に違う方向に行っちゃってます。
「・・・確かにないな。どちらにしろおよそ二日後に本隊が来る・・・」
えー二日後に本隊が来るんですか。
しょうがないですね。冒険者たちには「魔王デモンズはすでに倒された」と言ってごまかしましょうか。
でも私が言って・・・いや私は竜人に変化ができる。それも魔王ライゼンとして。
あ・・・無謀にもアトリエに向かって行って見事に私が張った結界とブラックドラゴンに敗れましたね・・・。
ブラックドラゴンが一人殺したのを見た私は、試しにブラックドラゴンにもう一人を逃すように指示したところ、なんと聞いてくれました。
よかった、"4015歳の"私の指示も通るんだ。
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「うーん」
でもそれじゃ、エミリアさんのアトリエが消えた理由にならないし、殺した理由にならない。
なぜだろう。
考えながら、私がアトリエ周辺を真上から見た。
あ・・・私、重大なやらかしをしていたかもしれません。
実は1500年前のこの場所は、デモンズ城ではなく、サロバッド王国の国王の別荘地だったんです。これは歴史では学んでいないです。
それは問題ないんです。問題はここからです。
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私がギルド職員になったばかりの時に、ローラとこんな話をしていたんです。
「そうそう、フェリシア。国王が別荘地を作られるらしいわよ」
「へー場所はどこなの?」
「あたしも場所はわからない。別荘の場所は国家秘密だよ?一つわかるのは、以前別荘地があったところと言っているわね」
「うんうん。」
「でも、別荘を作られるのは魔王デモンズが倒されてからになるらしいよ。」
「そうなんだね。でもなんで魔王を倒さないと別荘を作れないの?」
「あたしも気になった。なんでだろうね」
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・・・そう、エミリアさんがアトリエを建てていた場所は、これから魔王は倒されたと宣言された後に国王の別荘地になる予定なんです。
別荘の場所は国家秘密ですが、私はなぜ知っていたかというと、1500年前に国王がその場所にいて泊まっている所を空から見ていたんです。
そして国王がいない時に実際に足を踏み入れたこともあるんですけど、やっぱり国王に相応しい建物でしたよ。
あ、でも精霊様は見つけられませんでした。やっぱりたまにしか出ない?
つまりアトリエを建てたままだと、最悪の場合不敬罪になり処刑されるかもしれません。
魔王城の跡地だからと言って安易にアトリエを建てたのがいけなかったみたいですね。
もし私が本隊に「魔王デモンズはすでに倒された」と言わずに放置すると、いつまで経っても魔王デモンズがいる扱いとなり、ずっとアトリエは攻撃されるでしょう。
・・・どうしようか。
そうだった。マジック・フライデー付近にはまだ空き地はあるんですよね。
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SIDE: ゆい
9月26日の昼下がりの頃。
僕は休日なので、アトリエに来ている。
そしてアトリエのメインホールには、僕とトオルに、同じく休みのひなたが来ていたのだ。
いつも通りアトリエの整備を続けていたトオルは異変に気づいた。
「なんか冒険者たちがせめてきている!?」
急いで僕らはアトリエの展望台に向かい、トオルは展望台から状況を確認する。
「ブラックドラゴンが攻撃を受けていて・・・それに結界を破ろうとしている!」
話を聞くと、ここを攻撃をしている冒険者は19名。いずれもAランク冒険者のようだ。
しかも特殊な技術を使って結界を開けようとしている。
時間稼ぎにブラックドラゴンを翻弄しているようだ。
「これ、ちょっと危ない状況ね・・・」
そこにさらに別の竜が現れたようで、これを見ていたトオルは言う。
「この竜の姿、魔王ライゼンよ。間違いないわ」
そう、この竜こそ魔王ライゼンだったのだ。
ただ、僕にはなんかひっかかったのだ。どうもあの竜、りゅうに似ている気がしたのだ。
そしてライゼンがブラックドラゴンを消滅させたようだ。
「さすがライゼンだな・・・」
さらに冒険者たちを退散させたあと、竜に変化してアトリエの展望台に向かってきた。
ひなたはトオルに対して。
「ねえ・・・これって魔王でしょ。うちらは攻撃するの?」
「やめたほうがいいわ、攻撃した時点で死ぬわ」
竜の形態から変化したライゼンは展望台に入る。
ひなたは怯えている。しょうがない、魔王だもの。
いよいよエミリアたちのその後が明らかに。
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