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そして、殲滅依頼を出したその日のうちに有力パーティーが訪れたのだ。
その名も“黒き誓い”。
なんでもたまたまこの街を通過しようとしていたのだ。
そして主宰のSランク冒険者が受付へ近づく。
Sランク冒険者の名はアラン・スミス。
当然ながらSランクとなれば国中で知らない人はいない。
ギルド内はざわついている。当然だ。
Sランクの冒険者なんて世界中に数十人しかないのだから。
実はSランクはランク昇格試験では手に入れられない。
国からの認定が必要になる。認定される行動の例としては、例えば魔王を倒したり、魔族や国賊から国を救ったりするなどの英雄的行動などだ。
彼が私に近づいてくる。
「はい、冒険者ギルドです。どのようなご用件でしょうか」
「ああ、例のオークの殲滅の件だが」
「はい。依頼を受けてくださるということでよろしいでしょうか。」
「そうだ。」
「では、まずパーティーを確認させていただくので」
「そうだな」
しばらくして。
「・・・おい、あいつがいないのか!?」
「はい、すぐに探してきます。」
「俺も行く」
“黒き誓い”が騒がしい。何かあったのだろうか。
「すまない、ちょっとしたトラブルがあってな。また来る。」
そう言い残し、何やら急いだ様子で“黒き誓い”は去っていった。
なんかパーティーから誰かが離脱したようだけど。
一時間後、“黒き誓い”はまたこのギルドを訪れた。
「すまない、用がある。」
「はい。どのような」
「いや、実は収納持ちが離脱してしまってな。急ぎで収納持ちをパーティーに入れることは可能か?Cランクでもかまわない」
「はい。収納持ち、つまりアイテムボックスを持った方でしょうか。確認します。」
とは言っても、実は今、アイテムボックスを持った冒険者がちょうどギルドにいなかったのだ。
エミリアさん?タイミングが悪くてちょうど泊まりこみの依頼を受けている最中だ。
「ギルドマスター、アイテムボックス所持者に対して緊急依頼をかけますがいいですか?」
「その必要なないと思う。別に職員が冒険者になってはいけないというルールはないし、わずかだが職員と冒険者を兼任している者もいる。」
「はあ。つまり」
「つまるところ君が冒険者登録すればアイテムボックス保有者はいることになるな」
「なんで私がアイテムボックス使えるのを知っているんですか?」
「いやデスクで普通に使っていただろ」
「あっ...」
ということで私自身がCランク冒険者になることになった。
(アイテムボックスで冒険者・・・)
「で、どうだった。」
「はい、私がパーティーに加入しても構いません。宜しければ。」
「は?君は受付嬢だろうが。」
「えっと、今日になってアイテムボックスを身につけました。」
「・・・はあ。まあ、こちらは翌日の早朝に出発する。今日は出かけるには遅いからな」




