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「ステラの木の実」。
これ、私がイリオゴストの冒険者ギルドの職についた初日に、ギルドに来ていたノアくんにもらったものだ。
この木の実を食べると「美容」に良くて、食べると若々しさが保たれるんだとか。
でも、この木の実、遠い国の産物なのだ。ここの市場には出回っていないので買えないものだ。
ノアくんがその国の出身なので土産にもらっただけなのだ。
1日1粒として14日分もらったけど、それまでにまたノアくん来ないかな。
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私がギルド職員として働き始めて2週間たった。
受付に冒険者になりたいという人が現れた。若い女性だ。
早速、冒険者登録に必要な事項を書いてもらう。
「ガラスペンはこちらにありますので」
「いえ結構です、愛用しているのがあるので」
自前の黒い筆記具を何もないところから器用に出している。
(へえーこういうしまい方もあるんだ。私にもできそうだったので後で試してみよう。)
その筆記具をまじまじとみていると。
「え、このペンが気になります?こちら万年筆です。こちらの国にはまだないものでしたね」
丁寧に万年筆について教えてくれた。
彼女が登録書を書きおわったので、私が確認する。
「エミリア・ガーランドさんですね。職業は魔術師...と。」
「はい。よろしくお願いします。えっと、ランクはどうなりますか?」
「はい、基本はFからです。でもある程度技能のある方は、後で試験を受けることでランクをアップさせる事も可能です。」
初期ランクはFからとなっているが、年6回ランク昇格試験があり、誰でも試験を行える制度となっている。
その試験結果によっては一気にAランクへランクアップもできるようになっている。
(ランク昇格試験以外でも、Cランクまでは自分のランク+1の魔物を20体以上倒して提出することでランク昇格することはあるが、この周辺には魔物がいないので、基本的にはほぼランク昇格試験でランクアップとなる。)
冒険者ギルドに入るものは必ず戦闘の素人とは限らないのだ。
例えば国に仕えていたりしていたものが冒険者に転身することもあり得るし、国の兵士が引退して冒険者になることだってある。
彼女の場合は特に内容的に問題なので、彼女に案内しようとしたところ、ギルマスが。
「うーん。そういや、彼女、アイテムボックス持っていただろう。なので彼女は最低でもCランクからスタートになるな。」
・・・エミリアさんが見せていたペンの収納術。ギルマスによるとあれはアイテムボックスというものらしい。
実は私、見様見真似で習得していました。というかアイテムボックスの原理ってこんなに簡単だったの?というくらい。
ただ、アイテムボックスには注意しなければいけないことがある。
実は冒険者の初期ランクには例外がある。特定のスキル保持者は冒険者登録時にいきなりCランクになることがあり、その一つが「アイテムボックス」。理由は「アイテムボックス」が使用できる者がとても少ないこと。
それに「アイテムボックス」は旅にとても役立つことから、武器や魔法がなくてもいい。
そして「絶対にアイテムボックスは信頼できる人以外には言いふらさない」こと。
そう、「アイテムボックス」の容量について人それぞれなこともあり、安易に人に教えるのは宜しくはないのだ。
実際、アイテムボックスが原因のトラブルも多発しているのだとか。
しかし、この「アイテムボックス」、私のものは「かなりの量」が入るので便利。なのに、人に教えられない...というか人に教えたら確実に羨ましくなるレベルだった。
・・・話が逸れたが、エミリアさんはひとまずCランクでの登録となった。
このことがきっかけで、後日ギルド内では登録前に必ず特定スキルの有無を聞くのがルール化された。
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それにしても、今日もイリオゴストは平和だった。
それもそうだ。イリオゴスト周辺には十数年前から魔物というものが見当たらないから。
そしてこの街では犯罪自体も少ない。魔物と戦うということが少ないから皆穏やかだった。
そうそう、ノアくんは今日も結局来なかった。木の実の袋はもうすっからかんだった。
残念がる私。
そしてギルドに誰か入ってきた。ノアくん?と一瞬期待した・・・のだが。
「助けてください!」
ギルドの薬草採取依頼を受けていた少年たちが助けを求めにギルドへ駆け込んだ。
少年たちの付き添いの冒険者の話を聞いたところ、ギルドの依頼で近郊の草ばらで薬草採取していたところ魔物が現れた。しかも結構な上位種とのこと。
というかこの近隣に魔物が現れること自体十数年ぶり。ギルドは大騒ぎだった。
翌日。
別の冒険者による斥候の結果、Aランク以上の上位種の魔物の存在が確認されたこと、そして魔物の群れの中心にダンジョンが出現したことが判明した。
上位ランク冒険者を含むパーティーにダンジョンの攻略と魔物の殲滅を依頼することになった。
ステラの木の実の魔力の記述について、表記上のミスがあったので修正しました。




