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ステラの箱庭  作者: Arisa
フェリシアは冒険者になる
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ユイシアさんの新しいスキル。それは"クリエイション"。"創造"とも言うらしい。

いわば"一度見たものや、詳しく構造を知っているものを作り出すことができる"代物。

「えっと、じゃあ何か作れるか試してみて」

「わかったよ。僕の力で何ができるか。」

ユイシアさんは創造スキルを始動させたが、何も起きなかった。

理由は単純。魔力がないのだ。

ユイシアさんの魔力は20。あの木の実を食べて魔力は20はあるのだが、普通創造スキルは、どんな小さいものを作る時でも最低でも30は必要だった。

私はあることに気づく。


「そうでした!ユイシアさん。」

私は、後ろからユイシアさんの背中を押す。

「一体何を」

「じゃあ、もう一度何か創造で作ってみてください。私が魔力をサポートします」

「うん、わかった」

ユイシアさんはもう一度創造スキルを始動させた。

出来上がったもの。それは。

「これはピストル、つまり拳銃だ」

これは地球での武器らしい。ユイシアさんの住む日本という国では一般人は持ってはいけない代物だった。

「これ一度手に入れたかったものなんだ。」

拳銃には拳銃弾が必要となる。これも私のアシストで作り出した。でもどうしてそんな軍事的な知識を?

「いやこういうピストルとか特に漫画アニメゲームとかで頻繁に出てくるから知っていたんだよ」

どうやら作り話から知識を得たらしい。


「そうするとだ・・・さっき僕が欲しいと言った機関銃とかもフェリシアがアシストすればできるんじゃないかな」

「あ、そういえばそうですね」

私はまたしてもユイシアさんのアシストを行い、機関銃と弾を作り上げた。


あ、私わかってきました。この"創造"スキルを。

でもわかったこと。それはこの"創造"スキルは生き物は作れないのだった。


あ、でも魔物とたくさん戦っていた時にデモンズ一族が唱えていた"召喚"魔法があったことを思い出した。

つまり組み合わせれば味方の魔物も作れるかもしれない。

「そうだ、私思いついたことがあるのでちょっと外出てきますね」

そう思い立った私はアトリエの外に出る。

そして召喚魔法を唱えるとー

----

ほら、できた。

ブラックドラゴン。。

なぜできたかって?私は戦ったことがあって、それがきっかけでそのイメージを覚えていたの。


・・・でもちょっとやりすぎたかな。


ブラックドラゴンの鳴き声に気づいたエミリアさんが慌てて外に出る。

「・・・どういうことなの!?まあ倒したと言っていたあなたなら大丈夫だと思うけど・・・」

「はい。これ私が召喚したんです。なので攻撃はしてきませんよ」

「え。そうなの」

エミリアさんは口をあんぐりしていた。

「えっと、これで魔物のいる場所まで飛んで行こうという考え、だよね」

「はい、そうです」

「多分そのやり方はやめた方がいいと思うの。ブラックドラゴンに怯えて弱い魔物は逃げてしまうから」

「あ、そういえばそうですね・・・・では、都市間移動とか」

「それもやめた方がいいわね。魔物だと他の人が攻撃してくるのは間違いなさそう」

「はい・・・・じゃあ、このブラックドラゴンは警備用にしておきましょう。そうすれば万が一の不審者も侵入できないし」

-------------

「あ、そうそう。飛行用の魔道具があるの」

エミリアさんは魔道具を見せてくれた。

「これで6km程度飛べるわ。だから長距離には使えないんだけどね」

「エミリアさん、ところでkmというのは」

「ごめん、kmは日本の距離の単位ね。」

「竜球の距離の単位はマイルですね」

「マイルね・・・。」

エミリアさん、何やら足で直線を引いていた。

「これで1フィートの長さだけど、あってる?」

「はい、それであっています!」

「よかった・・・するとこれは1日3.7マイル飛ぶわね」

「はい。つまり1マイルは1.6kmと。覚えました」

---

「でね・・・この前ちょっと探索を入れてみたんだけどね。このアトリエから2km北にゴブリンの住処があるの。あのゴブリンは最近住み着いたみたい」

「へー。ゴブリンは確か・・・・Eランクから始まる」

でも、まあ冒険者にとってはゴブリンは最弱に近い存在だ。

「ゆいにとってはいい相手じゃないかなと思って」

「ふふ、そうですね。では早速いきましょうか!」

ユイシアさんを呼び、私たち3人は飛行魔道具を用いてゴブリンの住処へ向かう。

「トオル・・・これは一体」

「見ての通り飛行魔道具よ」

「うーん・・・」

ユイシアさんはなんかしっくりこなかったようだ。


さて、到着。

意外にもゴブリンは知能があり、住居まで作っていた。

「そういえば、魔物ってダンジョンや魔王城以外からも出てくるんですか?」

「そうね。基本はダンジョンや城からしか沸かないんだけど、オークやゴブリンといった一部魔物は繁殖するから、野生がいるの」


ユイシアさん、ボウガンを取り出し、早速近くのゴブリンに攻撃開始した。

ヒットはした。しかし、倒れなかった。

「ボウガンって意外に攻撃力低いんですね・・・」

「そうでもないわ。数回ヒットすれば倒れると思う」

しまった、ゴブリンが逆にこちらに襲ってきた。

私は咄嗟に水魔法でゴブリンを倒した。

「危なかった、助かったよ」


ユイシアさん、今度は機関銃を持ってきて、またしても近くのゴブリンに銃をぶっ放す。

弾を浴びたゴブリンはあっさり倒れた。

「うーん、やっぱり僕にはこっちの機関銃の方がしっくりくるかもしれないな」


その後も機関銃をぶっ放し、ゴブリンを大量に殲滅していく。

もちろん攻撃してくるゴブリンたちは私たちが瞬殺していった。

その時私は、ナイフを用いて魔法を唱えるようにしてみた。

やっぱり魔力の消費は減るみたいだが、それほど差異は感じなかった。


とうとうここのゴブリンを全滅させた。

「ユイシアさんすごいです!」

「すごいのはフェリシアたちだよ。あの魔法の力はなんなんだ。ゴブリンたちは歯が立たなかっただろう」

・・・・・

「あ、もうこんな時間なのね。もう午後6時すぎているよね」

エミリアさんによるともう夜の初めごろらしい。

今日はお開きにして、またユイシアさんが休みの日に集まることになった。

「ではまたね、ゆい」

「こちらこそ。またな!」


----

次の日。


昨日は結構動いたのでよく眠れました。

さて、今日もお仕事です。


ギルドに行くとすぐに、私はギルマスにある書類を出した。

「これはなんだ・・・な、なんだと!?」

「はい、私は、ここのギルドの職員を辞めます。」



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