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ステラの箱庭  作者: Arisa
フェリシアは冒険者になる
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SIDE:エミリア


そう、鑑定の結果、あのゆいくんだったのだ。

つまり男の子。

しかも(鑑定の結果)私よりも年齢は上なのに女の子っぽい顔でとてもかわいいのだ。


前世のあのことを思い出す。


------------

これは前世の私が小学校3年の終わり頃、蒼村に住んでいたころ、私は蒼村という小さな村に住んでいた。

まあとても小さい村なので、小学校も全校児童10人もなかったと思う。


そんな小学校から一人転校していったのだ。


転校していったのは、私の同じ学年の雲母唯くん。

まるで女の子らしい顔なのに、男の子。

かわいい物好きで、女の子みたいな服ばかり着ていたり。

それに髪の毛もかなり伸ばしていたし。

まあしょうがないかな。私の学年男の子一人だったからね。


あと、ゆいくんのある癖が可愛くて可愛くて。

あれは強烈だった。


----


まあ転校自体しょうがないと思う。

蒼村自体、近い将来、村ごとダムに沈む予定であるからね。

仕方ないことなのだ。多分私も近々引っ越して、この小学校とはおさらばしてしまう運命だったのだ。


でも、まさかこんな形でゆいくんに会えるとは。

「久しぶり。ゆいくん」

「へ?あなた僕の名前をどうして知っているんです?」

「だって、私は”金子透”の生まれ変わりの存在ですからね。そして"エミリア・ガーランド"として転生して、ここにいるの」

「・・・?透・・・なのか???」

「そうなの。転校する前に死んだの知っているでしょ?」


そうなのだ。あれから転校する前に私は死んで転生してしまうのだ。


-----


ゆいくんが転校した後は春休みになり、その2〜3日を使って私と両親は叔父さんのところに泊まりにいっていた。


自慢じゃないんだけど、私の叔父さん、Pairon Ashのギタリストの金子英明なんです!

とは言ってもメジャーではなくてインディーなのであまり知られていないんだけどね。

なのでミュージシャンのプライベートライブとかもよくやってくれて感激でした。

で、私のおじさんの家は東京の浅草にあって・・・とは言ってもマンションの一室なんだけどね。

なのでおじさんの家に来るときはいつも人混みを見ていて、村とのギャップを感じる。


で、事件が起きたのはおじさんの家から村の自宅までの帰り道。

両親は後で電車で追うらしく、私は先に地下鉄に乗ったのだ。

え、別れて大丈夫?と思うけど、そこはいずれ東京駅で合流するので・・・と思ったのがいけなかった。


神田。

ここで東京への別の電車に乗り換える事になる。

ここから上り階段を登る。

それにしても、今の時間珍しく人気がないのだ。

ちょっと新鮮。

そして階段を上り切った。


そして踊り場に到着。

なんと、踊り場にいた、・・・何者かに思いっきり蹴られた・・・

誰だったのか、なぜかその顔を思い出せない。

私は階段下へ一直線に落下。

私はこれで頭を打ち意識を失い・・・


前世の私こと「金子透」の命はここで終焉した。


そして私こと「エミリア・ガーランド」は軍事訓練で馬車を使った移動中に前世の私こと「金子透」の記憶が覚醒した話は後ほどね。

・・・・・・・

ゆいくんは泣いていた。

「うん、小学生の時の僕にとって君の死のニュースは衝撃的だったからね。でもまさかこんな形で会えるとはね・・・・」

私とゆいくんは抱き合っていた。


なんだかんだ時間が経ってしまっていた。

フェリはドールばかり見ていたが、そろそろ気を取り直してセーブポイントを・・・

あれ、私やらかしたようだ。

実はアトリエにある転移門とセーブポイントをつなげることはできなかったのだ。

アトリエに別途セーブポイントを作らなければいけなかったのだ。

まあ、でも大丈夫だった。予備の転移門をアイテムボックスに入れていたからだ。

セーブポイントの目的は転移するところを隠す目的だったからね。

ゆいという信頼できる人がいるなら、はっきりとわかる転移門でもいいのだ。

「あれ、セーブポイントは?」

「実は転移門の方が都合が良いことがわかってね。実はセーブポイントは作った本人しかくぐれないの。それにゆいくんがいるし」

「あ、そうだったんですね。」

「えっと、じゃ、僕もそっちに行けるということです??」

「そうよ!」


転移門、それはすぐにいける利便性を考えるならセーブポイントよりこの転移門の方がずっといい。


「では、私たちは一旦帰るわ」

「わかった。僕もまたすぐにそっちに行くと思うから」

そして私とフェリは転移門をくぐりここを後にした。


「なんかまた私の行動範囲が広がった感じがします。」

「ふふ、そうね。私にとっても地球は・・・以前の世界に戻れたというか。そしてフェリにとっては未知のところだしね。」

「そうですよ。未知の世界、楽しみです。・・・でもそっちの言葉わからないです。ゆいさんと直接話したい」

あ・・・そうだった。

ゆいとフェリ。2人は互いの言葉を話せないし、互いの世界の言葉を知らないのであった。

何か翻訳機を作ろう。指輪型の魔道具を。

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