現状はこんなですが、どうぞ
シェルターには別の出入り口も用意されており、それは家の敷地外の道路に出るというものだ。
俺はJJに投げつけられた戦闘用のスーツを着込むと、彼女が開けた武器庫から適当なものを急いで取り上げて装着したホルスターに片付けた。
「お前は外の敵を排除しつつ家屋に戻れ。」
「おっけーでーす。」
新卒の若者みたいな、上司だったら誰でもイラつくだろう声でJJに返した。
人は出来る時に嫌がらせをするものなのである。
そして、彼女の指示通りに外に出てみれば、キマイラの部隊どころか、警察の暴動鎮圧犯の勢ぞろい、という眩暈がする風景である。
俺はインカムで新隊長に新情報を伝えた。
「敵はキマイラにあらず。警察の機動隊ですが、どうぞ。」
「とりあえず鎮圧しろ。どうぞ。」
「うっそ、マジで?」
俺はJJとベルヴァイラが本気で俺をマルファから排除するつもりかもしれないと考えてしまったが、機動隊の一人、ヘルメットを脱いだ奴が良く知っている男だった事で、俺は気兼ねなく銃をホルスターから取り出した。
「そうかそうか。脱獄には手引きした奴がいるものか。腐った警察の誰かがいなきゃあねぇ。」
俺はヒヒっと笑い声をあげると、俺の可愛いミーちゃんの弔い合戦だと足を踏み出した。




