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零式艦上戦闘機23型  作者: 通りすがりの野良猫
8/25

本土空襲のその後の経緯

史実と違う作戦になりますが、、、

アメリカ軍は昭和20年からまず本土空襲に先立つ偵察を開始してB29改造

のF13偵察機を発進させ偵察写真を撮りまくった。

そして主要な目標をピックアップして攻撃準備を始めたが、最初の目標は群馬

の中島飛行機であった。


そして高高度からの精密爆撃で壊滅を図ったのだが成果は今一つ。

真冬の日本上空を吹きすさぶジェット気流がB29が爆撃行程に入ったとき、

過大な追い風となって、爆撃照準器と自動操縦装置を連動して、当時高い精度

を誇っていたM9ノルデン照準器の使用可能の限界速度をも超えてしまった

のである。

想定外の速度では投下される爆弾の弾道も予測を超え、爆撃後の評価では

効果不十分と考えられたのである。


この傾向は他目標の爆撃でも見られ、米陸軍航空隊の爆撃隊が看板にして

いる昼間での精密爆撃の戦術が通用しないとみなされるようになってきた

のである。


この問題は結局後には解決の方向に向かうのだが、航空隊の元締めの

アーノルド大将はそれを待つことなく、指揮官を更迭し、新たな爆撃

方式を導入しようとした。


それはルメイ准将らが提唱する、夜間低高度での焼夷弾による地域爆撃である。

これなら夜間、敵戦闘機の活動が少なく、かつ機体のエンジンの負担も少ない

ので搭載量も増せるし、なんといっても地域爆撃であるから厳密な照準も不要

といろいろ都合の良いことが判明してきた。


もしこれが実際に行われたとしたら、先導する爆撃機は目標上空で標識になる

火災を発生させて、後続の編隊に示し、目標地域ごと焼き払ってしまう戦術で

ある。

これは市街地に分散している小規模な工場と労働者をまるごと殲滅して、関連

する大企業の工場の生産に影響与える、とんでもないものになるところであった。

この戦術の怖さはドイツのドレスデンで米英の爆撃隊行った焼夷弾攻撃を見れば

わかるであろう。


幸いなことにこの戦術転換に伴い、ルメイ准将がB29で任地であるテニアンに

飛来する途中、事故にあい重傷をおって本国送還になったので、一時的に停滞

することになった。


後任は直ちに補職されることになったが、その時ちょうど、ハワイの太平洋艦隊

司令部から横やりが入ってきたのだ。

指揮官不在で戦術転換などをしようとしているB29部隊を海軍作戦の支援をさせ

ようとしたのである。

陸軍航空隊が簡単に首を縦に振らないであろうことから、この件を大統領に持ち

こみ直談判したのである。


その結果、海軍の横やりが通って、アーノルド大将はじめ陸軍航空隊は大統領命令

でしぶしぶ海軍に協力することになった。

ただし、今回はあくまでトライアルであり、1個爆撃航空団(これでも陸軍は過大

と考えていたが)のみで協力することとなった。


作戦内容は、B29を使った攻勢的航空機雷戦であり、今回は日本海軍の横須賀

鎮守府を目標としたのである。

その結果であるが、たった1度の機雷敷設は横須賀鎮守府の活動を麻痺させてしま

う想定以上の戦果を挙げたのである。


そもそもなぜ、機雷封鎖が?であるが、米海軍の太平洋艦隊司令部の幕僚にの頭に

浮かんだのは「恐れ」である。


確かに今の太平洋艦隊だけで十分、日本艦隊を殲滅できると思われる。

しかし先のマリアナ沖海戦での夜戦のようなことが、この先全くないと誰が断言

できるかである。

特に日本の新型戦艦、ヤマト級だが16インチより大きい主砲を搭載している

可能性が写真分析と、造船工学の観点から分析して判明したのである

またこれはアメリカに対して常に劣勢に置かれた日本側がとるオプションとしては

十分な説得力のあるものであった。

日本海軍の建造してきた戦艦は多くの場合、その時代最大の主砲を選んできている

傾向がある。

それからしても現代で最大級の18インチ砲を積んでもおかしくないとなったので

あった。


そうなると、不用意な艦隊遭遇戦ではアメリカの戦艦隊はその砲戦距離に入る前に

アウトレンジされてしまう可能性が当然のように導かれてくるのである。

空母機動部隊が必ず、敵主力を叩くという前提は、必ずしも正しくない可能性もある

からだ。


そう考えたとき、「リメンバーパールハーバー」の言葉が浮かんだのである。

そう、真珠湾のように日本艦隊を軍港にあるうちに叩いてしまえばいいのだ。

だが戦時中だし、奇襲は難しいだろう。

でも、何らかの方法で艦隊を釘付けにしてしまえば、どうでもなる話だ。

先にも述べたようなCVBに搭載された新型攻撃機を逃げ場のない艦隊上空に送り

こんでしまえばチェックメイトである。


そこで生み出された案が、航空機雷を大型機で強行敷設する作戦である。

米海軍にも陸軍からもぎ取ったB24もあるが、このような荒仕事をするにはちと

力不足、そこで最新のB29に目を付けたって訳である。

この案はニミッツ長官の認可を受けて、太平洋艦隊の意思として上申されることに

なったのだ。


さてこの機雷封鎖で得た目立つ戦果はなんといっても戦艦陸奥の柱島泊地での爆沈で

あろう。

本来ここは連合艦隊にとっては瀬戸内海の奥座敷みたいなもので、しっかりと守ら

れており、掃海艇もきちんと掃海しているエリアであった。

ところが突然の轟音で水柱があがり、しばらくしたらそれを上回る轟音とともに後部

の第3砲塔付近から火柱があがり、急速に沈没したのである。

突然の事故であり、多大な死傷者がでたのであるが、当時は十分な調査もできなかっ

た。

戦後の潜水調査の結果、第3砲塔付近の艦底が著しく破損しているのが確認された。


この破孔の様子を子細に調べた結果、外部からの爆圧でふき取んだことが判明した。

(一部に弾薬庫内部で3式弾が自然発火した可能性も論じられていたが)

そしてその圧力波は直上の第3砲塔の弾薬庫の装薬をも引火、誘爆させた模様である

ことが判明した。

そして最後にその付近の鋼材を採取して、分析したところ、外部からの侵入した破片

が採取されて、その金属の性状を分析したところ、まぎれもないアメリカ製の磁気

機雷の外殻であると断定されたのである。


ただ不思議なことに当時その海域には上記のとおり、機雷敷設をした記録がない。

どうやら他の海域で投下された磁気機雷が流されてきて、たまたま陸奥の艦底を

通過した際に、信管が作動、爆発に至った模様であった。

さらに不思議なのは、そのタイプの機雷には回数起爆装置が組み込まれていたことで

あった。

つまりたまたま陸奥の艦底付近に達したとき、それが起爆装置の設定されたカウント

と合致したため爆発したのだ。


まったく、偶然なことが重なった挙句の陸奥の爆沈はこの世のはかなさを感じさせる

ものであった。


また、機雷敷設は海軍航空隊の艦上機部隊の活動にとどめを刺したのである。

空母が出港して艦上機の発着訓練をできなくしたのである。

なんせ柱島泊地での陸奥の喪失、さらに瀬戸内海で訓練中の旧式空母鳳祥の触雷(中破

で済んだのは幸いであった)も重なり正規空母の出港は完全な掃海のめどがつくまで

禁止された。。

そのため数少ない生き残りの教官クラスを除いては、まともな離発着訓練の経験もない

搭乗員しかいなくなってしまったのだ。


こうして米海軍の最大のライバル、日本海軍の主力は当面、無力化された。

また限定した規模で行われている航空機工場などへの爆撃も、レーダー爆撃の経験を

積み上げることで徐々に精度を上げてきている。


こうなったら、日本本土制圧の最後の拠点、南西諸島の沖縄本島を奪取するのみである。

昭和20年6月6日、ついに沖縄上陸作戦開始となったのである。



















機雷での封鎖、これはこれで大変なことです。

私の知人の父上が、例の朝鮮戦争での機雷掃海に行かれたりされていた

そうです。

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