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零式艦上戦闘機23型  作者: 通りすがりの野良猫
23/25

NAVAL AVIATION NEWS にみる零戦23型

米軍はどう零戦23型を評価したかです

さてさてここまではわが海軍、そしてドイツ海軍の視点で零式

艦上戦闘機23型の戦闘ぶりなどを紹介していた。

ここでは、この機体に遭遇したアメリカ軍が部内でどう扱った

かを戦時中、公刊された資料から見てみよう。



一つ目は1944年の米海軍航空局発行「Naval aviation news」

からの抜粋で表題は「最近遭遇したドイツ海軍戦闘機について」

である。


「ドイツ海軍空母グラーフツエッペリン(詳細は別途報告を参照)

に搭載されている艦上戦闘機は従来、メッサーシュミットMe109の

改造型でT型、とされていた。


しかし最近の北大西洋での航空戦で墜落した機体の残骸などから、

この機体を検証した結果、まったく別の系統の機体であることが

判明した。


機首はテーパーして尖っていて液冷エンジン搭載と思われる。

主翼はテーパーしながら、翼端はなだらかに丸く成型されている。

垂直尾翼は側面から見て釣り鐘型で、頂部はやや尖っている。

水平尾翼は主翼と同様な形状で、胴体後部はニードル上にまとめ

られている。


詳細について不明だが、これらの特徴から、この戦闘機は

日本海軍のZEEK、つまり太平洋で猛威を振るった「零式艦上

戦闘機」の液冷発動機搭載型であることが判明した.


遭遇した操縦士の報告によると、明らかにZEEKより優速であり、

特に降下速度はF4Fを引き離し、おそらくF6Fに迫るものである。

一方で、水平面での運動性などは、それほど印象に残るもので

はないとのこと。


これについては日独の操縦士の運用の違いとも思われるが、原型

がZEEKであることから、従来と同様、旋回戦闘や格闘戦に入るべ

きではない、と思われる。


ただし急降下制限速度がおそらく発動機の馬力向上に伴う、機体

の強化で上昇している模様であることから、優位な態勢で一撃を

かけその後、退避するような場合注意が必要であろう。

そのような場合、必ずリーダーとウイングマンの連携を密にし、

相互支援できるようにすべきである。


なお、この機体はまだ、太平洋方面では目撃されていないが、

そう遠からず、この戦域にも投入されるものと考えておくべ

きである。」


次に同じ資料で、1944年末の記事からの紹介である。


「先に紹介したZEEKの新型はドイツにおいてはHe200として

運用されていることが判明した。

そして、先のサイパン島をめぐる海戦で目撃されたZEEKと略同型

ということもわかった。


サイパンではZEKE52が多数捕獲されたが、それに混じって少数

の液冷発動機つきのZEKEも捕獲された。


この機体は日本では零式艦上戦闘機23型と呼称されていること

が判明した。

これからはZEKE23として説明する。

この機体はほぼ残骸状態であることから、性能の評価には

至らなかったが、判明したのは以下の通り。


①火力強化

ドイツのMe109と同様にプロペラ軸に20mm機関砲を装備

しており、捕獲した資料では胴体の機銃も強化されているものも

ある。

なお、翼下に20mm機銃を追加装備した機体もあり、最大で

20mm機銃5丁装備の仕様のものがあった。

これは日本の単発発動機の戦闘機では最大の火力となるがドイツ

のMe109同様、この重装備の状態では空気抵抗増加、で速度

低下、およびロールレイトの低下を招くことから、一部の機体

の特別装備として扱われるだろう。



②発動機の強化にともない、機体の強化が図られ、主翼桁、

外板などが厚みを増しているのも確認された。

F6Fが急降下では振り切れなかったという報告はこれからも

裏付けられた。

また、重量増大で多少、低空、低速での運動性能は損なわれ

ているが、サイパンでのF6Fとの空戦で目撃された状況では

以前、F6Fなど上回る機動性を発揮している。


以前から警告されている通り、このZEEK23とも格闘戦を

行ってはならず、かつ急降下速度なども大差ないことから

リーダー、ウイングマンの連携をしっかり保つことは

重要である」


他にも破損した零戦23型を集成して飛行可能にして試験

した記録が米英合同の評価チームが残しているので改めて

紹介したい、

戦時中のNAVAL AVIATION NEWSでは

遭遇した日本機の情報なども載せてました。

実際こんな感じだったかもしれません

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