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零式艦上戦闘機23型  作者: 通りすがりの野良猫
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満州上空の激戦

満州上空では1式戦が苦戦していますが、、、

満州で大規模な地上軍の進攻に対して、当初所在の陸軍航空隊は懸命の地上攻撃を

実施して支援を行った。


とはいえ、有力な機体、部隊はすでに抽出され南方あるいは本土防衛に振り向け済

みである。

そのためこちらも地上と同じく、悪戦苦闘である。

残された機体で、進撃してくるソ連軍の縦隊に、ゲリラ的にタ弾攻撃でする。


99式双軽、99式襲撃機などいささか旧式と思われる機体が何度でも出撃するが

搭載量も少なく、戦果は上がっているようだが、敵の前進を止めるには至らない、

護衛にあたる三型、つまり1式戦3型も地上への銃撃、タ弾の投下に駆り出されている


という状態だったが、、、。

遠く南の空から、銀色に光る機体が見える。

こちらの3型より5割増しくらいの高度を悠然と飛んでくる。

あれは、、、言われているとおりなら、、、。


そうB29スーパーフォートレスが満州上空に侵入してきたのだ。

このB29の編隊は、悠然と地上戦を眺めるようにしながら、爆撃行程に入ったようだ。

定針しながら、先導する機体からバラバラと爆弾が投下される。

それを見てか、後続の編隊からも爆弾が落ちていく。

どうやら敵の部隊が大挙通行中の橋梁を狙っているようだ。

そして投下される爆弾は橋だけでなく、周囲の部隊にも容赦なく落ちている様子だ。

その状況は、こちらのタ弾攻撃の騒ぎではない。

とにかくその一帯が弾着の破片、火炎、土煙で見えなくなるくらいの騒ぎだ。


1式戦の操縦士の知らないことだったが、B29の編隊は、かってノルマンディー上陸作戦

での戦略爆撃機による地上支援攻撃をここ満州で初めて行ったのだ。


この攻撃はソ連軍の司令部に大きな衝撃を与えた。

かっての敵、ドイツ空軍もここまでの打撃は与えられなかったのだ。

まるまる1個大隊ちかい戦車が抹殺され、随伴していた歩兵、その他の部隊も大打撃を

受けた。

さらに厄介なのは、彼らが用意していた野戦高射砲程度ではどうにもならない高度を飛んで

いる目標であり、かつおっとり刀で駆け付けたYaK7なども、随伴していたP-51Hに瞬く間に

駆逐された。

かろうじて編隊に接近した機体も、不用意な接近で返り討ちにされた。

従来のドイツ機の攻撃には対抗できたソ連空軍の戦場防空能力が完全に圧倒されたことは、

明白であった。

これは後に、なりふり構わずジェット機に関する技術をドイツ、さらにスパイの手でイギ

リスからも取り込んでミグ、スホーイ、ヤコブレフなどの各設計局にジェット戦闘機の

開発を命ずる原動力になった。

また、地対空誘導弾の開発もさらに加速されることになる。


さて視点を今の満州に戻すと、この爆撃は大きなターニングポイントになった。

従来のように戦力集中はこのような集中爆撃をうける恐れがある。

そのためまずは分散、偽装し夜間にまぎれて前進するなど対策が必要になってくる。

さらにこのような戦術の転換は、快調に飛ばしてきた各軍の進撃を大幅に遅らせること

になってしまった。

さすがのスタフカ、ソ連軍の最高司令部も満州の空を日米が握っているのを認めざるを

得なかったのだ。


このように地上での日本陸軍の悪戦苦戦、上空での日米航空隊の来援は、更なる増援

部隊を投入するための貴重な時間を稼ぎ出し、ソ連軍の満州進攻を阻止することに

なっていく。








このあたりはノルマンディーでカーンを攻略する時の感じですかな

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