もしもアリの世界なら3
翌日、アトラスは女王様に話を持ち出す。
<今日、どうしても行きたいところがあるのですが。>
女王様は少しだけ顔をしかめる。そしてアトラスの顔をじっと見つめて、何か悪意を感じない課などをよくよく考えながらいった。
<アリの里からは出ない?>
アリの里から出るとそこは人間がいる場所。
女王様に仕えるアトラスは行ったことがない場所だが、他の働きありや女王様が死んで帰ってきたりする場所だ。アトラス自身、行きたいとも思わない。
<出ませんとも。用事があるのはアリの里の中ですから。>
それを聞くと女王様は安心した顔でにっこり笑い、<それならいいわ。>と、外出を許可した。
アトラスは心の中でガッツポーズをし、女王様にお礼を言うと、早速神社に向かった。
その途中で、サラタと会った。
サラタいわく、<アトラスが今日来ると思ってここで待ってたんだ>とか。サラタはアトラスに道案内をしてくれて、その後頑張れよ、とだけ告げて自分の家に帰っていった。
アトラスはカバンから200ラグイを出すとアリの神様のところにいく。そして、アリの神様に200ラグイをお供えして唱える。
<アリの神様よ、このラグイと引き換えに我の願いを叶えたまえ。我らの敵、人間を倒す力を我らアリ族に伝えたまえ・・・。>
礼。
アトラスは儀式を終え、フウッと息をつきサラタの事を信じようと自分に言い聞かせて女王様の元へ帰ることにした。