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もしもアリの世界なら2
アトラスは、女王様の説得を今日もあきらめ、どうにかならないものかと頭を悩ませていた。
<アトラス、どうだったか?あ~その顔は今日もダメだったな。>
アトラスに声をかけたアリは、女王様とのもう一人の幼馴染であり親友のサラタだった。
サラタはアトラスに同じく、人間を天敵としてみている。むしろ働きアリはこの2匹に限らずともみんな人間に少しぐらいは殺意を持っている。持っていないのは女王様くらいだ。
<女王様はいつも命の事となると、厳しいもんな。>
サラタはそういった後、こっそりとアトラスに言う。
<なあ、こんな話は知っているか?アリの神様が祭られている神社にな、お願い事をして200ラグイを入れると、必ず願いが叶うらしいぞ。>
アトラスはこの話に大変興味を持ち、明日は必ずその神社に行こうと決めた。
ちなみにだが、「ラグイ」とはこの世界、アリの世界でのお金の単位だ。
サラタはアトラスがこの話に興味を持ったのを確認すると、
<じゃな、明日いってみるといいぜ。>
といって、アトラスの前から去っていった。