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自称願望者(prayer)は願わない!  作者: ボイロのやべーやつ
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プロローグ

俺には彼女がいた。彼女がいるだけで俺は救われた。彼女と話していると生きている実感がある。彼女がいるだけで俺は生きる意味がある。だが彼女はなんの前触れもなく、トラックに撥ねられて死んでしまった。

もうこれで生きる意味なんてない。そして俺は目を閉じた。

「はぁ・・・」

ため息をついた俺は、そのまま眠りについた。


はい、めっちゃ混乱しています。まずなんで普通に寝ただけなのに『知らない天井だ』展開になってるのかまるで理解が追い付かない。しかも近くには老人らしき人が数人。若いが目の下にクマができているが数人。メイド服を着てる人が数人。俺が動揺してキョロキョロしていると、王冠らしきものを被っている老人が近づいてきた。


「お前は勇者として召喚されたのだ。だからさっさと魔王を倒して来い!報酬として望むものをなんでも3つ叶えてやろう」


偉そうな格好をした人に偉そうなことを見下した目で言われた。というかなんで3つなんだよナ〇ック星の神龍かよとツッコミを入れそうになったのを必死に抑えた俺は一番気になっていることを聞いてみた。


「俺の他にも勇者がいたりするんですか?」


この質問を聞き、老人達は驚いたような表情をした。たぶんこの質問が変だったんだろう。確かに小学生の頃、『お前の頭のねじは外れている』といわれたぐらい思考回路が変らしい。

勇者というのは尊敬され、市民の人気者で、偉い人が頼るべき相手だという認識だ。その勇者を雑に扱うということは先代勇者、もしくは俺のちょっと前にも召喚された奴がいて、なにかやらかしたのだろう。

まぁあの反応からしているんだろうな。他の勇者が。


「他の勇者が何かやらかしたんですか?」


そう質問すると王様と思われる老人が答えてくれた。


「うむ、わしらは勘違いをしていてな。今回が4回目の召喚で、2回目以降の召喚の儀は今年に執り行われた

のだよ。」


「ということは1回目が初代勇者ですか?というか今の魔王って何代目なんですか?」


「約300年前に初代魔王は初代勇者に破られている。しかし最近2代目魔王と名乗るものが出てきたのだよ。話を戻そうか。初代勇者は様々な自分の国の言葉や文化を残していった。君が私たちと話せているのも、初代勇者様が日本語を教えてくれたからなのだよ。」


ということは、米派の俺は苦しまずに済むわけだ。


「初代勇者は優しい人でな。2回目以降もできるだけ日本人を召喚しようという話になったのだが、いざ召喚してみれば2回目の勇者は我々を罵倒しては『俺tueeeしてやるぜぇ』と言いながら出発し、3回目の勇者は『ギャル』?という大変不愉快な人種で、もう日本人以外を召喚しようという結論に至ったのだ。」


一人はキレやすい若者代表でもう一人はギャルって、日本の恥さらしを2回連続引き当てたのか・・・

まぁ俺も人のこと言えないくらいにはダメ人間なんだが。


「なるほど、『俺tueee』という言葉から察するに、俺たち勇者は特別強かったりするんですか?」


異世界転生あるあるの一つ、召喚された奴はもれなくステータスが異常だったり特殊スキルをもっていたりするのだ!


「あぁ、勇者は成長がとてつもなく成長スピードが早いのだよ。普通の人だとレベルが上がると『こうげき』が1~3上がるのだが、勇者の場合は10~20上がるのだよ。」


Wow... 喜んでいいか分からないな。ある程度チートだが、死ぬ可能性は極めて高い。まだ成長していない序盤で強敵が現れたら即死するだろう。


「それと勇者はLv1の状態でも、ランダムではあるが異常なステータスを持っている。基本的にLv1の状態ではほとんどのステータスが1だが、初代は最初から攻撃が300だったな。2人目はMP∞で、3人目は独自の力(ユニークスキル)である『無限再生』を持っていたな」


えぇ。いや、なんでこの人ら自分の手の内を他人に明かしちゃってるの?信頼できるパートナーとかだったら別だけどこのおっさん等から絶対情報漏れるでしょ。

そんなことを考えていると王様が水晶を持ってきた。これ絶対ステータス表示される奴だ。確かにこれは詰んだ。こんなのあったら見せるのが普通。


「複雑な表情をしているな?もしやステータスを見られるのが嫌なのか?わしらも無理に見るつもりはないし、最初に他の奴らと一緒だと思い無礼な態度を取ってしまった。お詫びといってはなんだが、ギルドでステータス確認用のプレートを貰ってくるがいい。手配はしておく。」


「ありがとうございます。」


まぁある程度察してはいたが、あるんだなギルド。荒くれ者がいっぱいいるギルドか?誰かが仕切っているギルドか?できれば前者であってほしいなぁ・・・

そんなことを考えながら用意された金や防具を持ち、俺はお城を後にした。

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