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花咲く都市

作者: 東京多摩

 丘陵の高みにあるその都市はとても美しかった。



 白っぽい御影石で作られた宮殿が中央にあり、その表面は磨き上げられ太陽の光を噴水のある庭園に反射させていた。

 その周りを囲む家々も、同様に少々黒っぽい御影石が使われ白と黒のコントラストが作られていた。

 さらにその外側では、着色された花崗岩の家々が建てられ、赤青黄の三原色のカラフルな層を作っていた。

 その町に入るための門は金箔が貼られ、銀を塗ったそれは専用の装置を使わなければ開けることも叶わないほどの巨大さを誇っていた。

 半径5キロ程の四角い都市は、ただただ美しかった。



 そして、その町を覆い隠すように、花が至る所に咲いていた。

 生活道路、街路地の根元、家々の小さな庭。

 宮殿の庭園では、見わたす限り花が咲き誇っていた。

 風が吹けば、花弁が舞い、まるで吹雪の様であった。

 その、直径が1メートルを超える美しい花々は、街を覆い隠すほど程の葉と茎で風を受け、その下に転がる無数の髑髏を日の光から守っていた。



 過去の大戦において、連続投下された中性子爆弾による遺伝子欠如が作りだしたその美しい街は、日の光を浴び、煌々と輝いていた。

 丘陵の高みにあるその都市は、ただただ美しかった。

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