ワタシ
「誰か、助けてっ、お願いだから、助けてぇ・・・」
私の名前は、佐々木 香菜。
高校1年生。
私は今、閉じ込められている。
真っ暗闇な小さな箱に。
でも、本当は小さな箱なんかに閉じ込められてなんかいない。
真っ暗なんかでもない。
すべて私の幻覚なんだ。
こんなことになったのはアイツのせい。
全部全部、アイツのせいなんだ。
アイツの・・・。
「・・・きさん?佐々木さん?」
私の体が勢いよく左右に揺れた。
「・・・はい」
私は目を開けた。
眩しい光が私を襲う。
「目が、目がぁっ、痛いよぉ、ああああああああああ!!!!!!」
「佐々木さん、大丈夫、幻覚よ、落ち着いて」
「ああああぁぁぁ・・・。いた、い・・・」
「そう、大丈夫、落ち着いて」
「・・・はぃ」
「また、幻覚を見たのね。もう大丈夫よ。」
「すみません、舞さん・・・。」
「謝ることはないわよ、ここの人はみんな同じなんだから。」
「はい・・・。」
「うああああ!やめろぉ!!さわるなぁあああああああああ!!」
「きゃあああああ!殺されるぅっ!!ぎゃあああああああああ!!」
・・・みんな同じ。
幻覚仲間。
簡単に言えばこうなる。
私もその一人。
自分を追い込み過ぎて覚せい剤に手を出した。
そして捕まり、施設に入れられた。
舞さんは私のことを担当してくれる先生。
舞さんも以前は覚せい剤依存でこの施設に入っていたとか。
過去は聞いたことはないが舞さんも同じ境遇だったんだ。
みんな、同じ仲間。
みんな、みんな、みんなみんなみんなみんなみんなみんなみんなみんな・・・。
あぁ、まただ・・・。
私はまた幻覚の中に入ってしまった。
舞さんの声も周りの声も全部・・・聞こえなくなった。
そして、アイツの声が聞こえてくる…。
「香菜、一生俺のもんだから」
「離さねぇからな、絶対に」
「香菜香菜香菜香菜香菜香菜香菜香菜香菜香菜香菜香菜」
「いやあああああああああああああああああああああああああああ!!!!」
私がいくら叫んでも
アイツの声が、
アイツの息が、
私を襲ってくる。
どれだけ、アイツは私を苦しめるんだろう。
いつになったらアイツは私を許してくれるんだろう。
誰か・・・
教えてよ・・・。
初めての作品です。
下手ですが、読んでくれるとうれしいです。