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第17話 憧れ

隻腕の傭兵、ゲイル。数年前に傭兵となり、何時の間にかSランク傭兵に登り詰めた男。


傭兵としては珍しい黒いフルプレートに身を包み、素顔も隠しているためその容姿も年齢も知る者はごく僅かしかいない。


その強さは誰もが認める程で、卓越した剣技、一対多数を可能とさせる魔法力。今では数多の傭兵の憧れの対象となっている。


これはシド達が駆け出しの頃の話し。


「くそ!何でこんなことに」


シドたちは町で配送の仕事を受け、街道を馬に乗り移動していた。駆け出しようの仕事だったので大して緊張していなかったのがいけなかった。


待ち伏せをしていたのか10人近くに囲まれていた。

シドは何とか1人倒したが直ぐに3人に囲まれ回避する事で精一杯だった。


ラドネスも素早さ活かして2人仕留めていたが、あちこち血が流れぎりぎりだ。


「きゃあ」ノインが襲われる。


「く、ノイン!」助けに向かおうとするが邪魔される。

ノインに敵のナイフが迫る。それをカインが突き飛ばした。


「きゅあ?!カイン!カイン?!」


よく見るとカインの背にはナイフが突き刺さっている。


絶対絶命。それぞれ後は止めを待つくらいしかできない。


「ちくしょう!ちくしょう!!!」シドも叫ぶしかできない。カインに止めを刺そうと敵の追撃が迫る。


「カインっ!」ノインの絶叫が響きわたる。しかし無慈悲にもナイフがカインの首に降りていく。。。。はずだった。


<<<ドゴーン>>>

轟音とともに敵が吹き飛んでいく。あるものは炎に包まれ、その他には体を四散させてしを迎えた者もいた。


「な、なにが?!」

状況がつかめず、呆然とするシド。ラドネスも同じだ。


「カイン!」そんな中ノインがカインの下に駆け寄る。


「そ、そうだ!カイン!どうだ?」焦りながらノインに聞く。


「だ、駄目。血が止まらない」顔を蒼白にしてノインが言う。ラドネスも必死に血を止めようとしている。


「何とかならねぇのかよ!ちくしょう!!」皆が焦り、どうにかしようとするが、どうにもならない。カインの顔色もまずい。


そんなところに近づく人影。


「任せてもらおうか」

皆が振り向くとそこには、黒い鎧に身を包む隻腕の騎士が立っていた。皆何も反応できなかった。恐怖と不信。そういうものだったのかもしれない。しかし、黒騎士は気にすることもなくカインに手を翳す。


「な、なにを?」ノインが焦り止めようとするが、白光に遮られる。


「んな!?」

光がやみ皆が目を開ける。そこには無傷となったカイン。それどころがラドネスやシドの傷すらなくなっていた。


「傷は治したが貧血にはなるだろう、休んでいなさい」優しい声が響く。20代中頃くらいだろうか?黒騎士はどこかへ歩き出す。


しばらく皆で呆然としていたが、カインが気付くのと共に皆で生き残った事を喜び会う。


黒騎士が戻ってきた。

「気絶していた奴をおどしてみたが、どうやら貴族どもの下らん企みに巻き込まれたようだな。」


「あ、あの!ありがとうございました。」ノインが頭を下げる。それにつられ皆も頭を下げる。


「気にするな、間に合ってよかった」やはり外見と違い優しい声だ。


「それで、どう言うことですか?」ラドネスが聞く。


「ああ、どうやら、その依頼の包みが狙われていたようだ」


「そ、そんな!Dランクの仕事ですよ?なんで」


「詳しくはわからんが、まだ狙われる可能性もある。彼を早く休ませた方がいいな。先ずは町にいそごう。」黒騎士がいう。


「えっ着いてきてくれるんですか?」


「ああ、のりかかった舟だ。よろしく頼む。私はゲイル、これでも傭兵だ」そう言って手を差し出す。


「え、えと、シドです。こっちはラドネス、それとカインとノインです」慌てて握手をする。

これが黒騎士との出会い。憧れとなる人との出会いだった。



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