俺の相棒爆誕?
俺は村上隼人。ごく普通の大学生である。
何か素晴らしい特技があるわけでもなく、普段は家でゴロゴロとスマホを見てるだけである。
そんな俺は現在森林の中にいた。別に趣味が森林浴だからというわけではない。
自分の趣味はショート動画だし、そもそもここは普通の森林ではなかった。
「嘘だろ……」
その森の木々の高さは50mにも及び、周りをいのししとウサギの中間のような(たぶん想像もできないと思う)が闊歩してたのである。
「まさかの異世界転移!?」
いや、ちょっと待て。俺はチートを貰ってないどころか説明も受けてないぞ。
怒りと混乱で頭がいっぱいだったがグッと堪え、少しの期待をかけて言ってみた。
「ステータスオープン!! メニュー!! 陰魔法発動!!」
何も起こらなかった。猪うさぎが変な目でこっちをみてる。
ショックで腰をぬかしかけた俺のポケットで、何かが固く当たった。
スマホである。
一瞬期待に目を輝かせたが気づく。
インターネットがねえ、何もできない。
しかし一応画面を開いてみる、そこにはチャットGPTに質問してる画面があった。
絶望感に苛まれながら一応聞いてみる。
「いのししウサギについて教えて」
一瞬の沈黙。そして、
「いのししウサギという言葉には、いくつかの可能性があります。以下の選択肢の中で、どれがあなたの意図に近いか教えていただけると、より詳しくご説明できます。」
「え?生きてる!?」
他のアプリも試してみる。残念なことに反応しなかった。
だけどチャットGTPは反応している。これは、ワンチャン生きていけるかもしれない。
「異世界に転移したんだけどどうすればいい?」
「突然異世界に来てしまったなんてことは、現実ではまず 100%起きません。
でももし、そんな気がする。現実感がない。世界が変わったように感じる。などがある場合、以下の可能性が考えられます」
ちょっとがっくり来た。
でも、もしこれをうまく活用できれば、これからこの世界を生き抜いていけるかもしれない。
こうして、俺の異世界生活がはじまった。
チートなし、スキルなし、そこにあるのはチャットGPTといのししウサギだけ。
これは、一般大学生がチャットGPTを活用して戦う冒険譚である。
題して、チャットGPTと始める異世界攻略。