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4月8日 退院、そして進級

主な登場キャラクタ

井上 遼 ……小学4年生。退院したら進級してました。

古谷 拓 ……教師。

堀島拓也 ……遼の親友?_

オシエール ……教えることが大好きな妖精。教えることのうまさはどうかしたら古谷先生よりうまい。一部の人にしか見えない。

 退院したら進級してました。


               *


 昨日は、新小学4年生の井上遼(いのうえりょう)が進級して1日目でした。

 けれどリョウは、いよいよ始業のチャイムが鳴っても、ついに教室に姿を現さなかったのです。

 けれどみんな、分かりきった顔をしていました。それに4年2組の一番後ろの席に空席ができていても平気でした。この学校は最初の1ヶ月、クラスの席を出席番号順に並べているのですが——。それに、リョウの親友の佐倉友信(さくらとものぶ)くんも、弟のたすくも、全く気にしていないのです。

 リョウは入院していました。退院したのは、きょう4月8日でした。

 入院というのは、去年の3学期、雨が降っていたのですが、同級生の誰だったかに唆されてジャングルジムに登ったのです。そして、雨で滑って、両手を離した拍子に、三段目から飛び降りる形になったのでした。

 幸い軽度の骨折で済んだのですが、これはニュースにもなりましたし、そしてリョウにそう唆したグループは、全員重たい罰を受けたのです。

 リョウの机の上には山積みになったプリントと、そして「進級の心得」なるいまだにガリ版のプリントと、最後に4年2組の出席番号表と……。それらが散らばっていました。入退院をしたので、出席番号は一番後ろになって、苗字が井上だのに、席は一番後ろなのでした。

 リョウが通っているのは「南中」と呼ばれる市立小学校でした。去年転校してきたのですが、それは一旦置いときましょう。

 4月8日の時間割は、一時間目が国語、二時間目が体育、三時間目が理科、四時間目と五時間目が算数、六時間目が総合でした。

 窓際の席に座っているリョウは、右側の席の堀島拓也(ホリシマタクヤ)に「おい。四時間目と五時間目が、給食と昼休みを挟んで算数だぜ。あれを挟むなんて——。なんかおかしいな」と話しかけました。

 途端に担当の古谷先生から、「そこ、何を話してる」と声が飛びました。幸い注意されたのはリョウではなく徳山と林の二人組で、彼らはいつも仲が良いのです。


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