第5節 アデリナとの邂逅
やがてレオンは、人間王国の第一王女アデリナとも重要な出会いを果たした。国境での危機に呼ばれ、レオンはモルガンに同行して活躍した。その姿が王国に高く評価され、レオンは王城に招かれることになった。
王城への道のりは緊張に満ちていた。レオンの胸中には、偏見の目で見られるのではないかという不安があった。街を歩く人々の視線を感じ取り、内心では緊張の糸が切れそうになっていた。
しかし、王城の門をくぐると、その雰囲気は一変した。豪華な調度品に囲まれ、威厳のある空間が広がっていた。レオンは案内係に導かれながら、這い上がるように階段を上がっていった。
そして待っていたのは、重厚な扉の先にある大広間だった。案内係が扉を開けると、そこに控えていたのは第一王女アデリナの姿だった。
アデリナの佇まいは気品と矜持に満ちており、レオンの目を釘付けにした。しなやかな動作の一つひとつから、王家の威厳が滲み出ていた。しかし同時に、年相応の可憐さと少女らしさも失われることはなかった。栗色の三つ編みの艶髪が揺れるたび、柔らかく可愛らしい雰囲気を醸し出した。
大広間の朝日が差し込む窓際に立つアデリナの横顔は、まるで絵画のような美しさを放っていた。日差しに照らされた三つ編みの髪が優雅に輝き、整った小鼻と大きな瞳が一層印象的に映えていた。レオンはその美しさに見とれてしまい、思わずたじろいでしまった。
「お前こそ先日、国境で活躍したのか。随分魔力に優れているそうじゃな」
アデリナは気品ある口調で問いかけた。レオンは思わずどもってしまい、上手く答えられずにいた。
すると、アデリナはほくそ笑んで続けた。
「せめて立ち振る舞いくらいは身に付けておかれたし。それでいて、少々可愛らしさも残しているのう」
その言葉に、レオンの頬は思わず赤らんでいった。アデリナからの少女らしさへの評価に、レオンは嬉しさと恥ずかしさを同時に感じていた。
そんなレオンの反応を見て、アデリナはまた微笑んだ。しかしその笑顔はこれまでとはまた違う、年頃の少女らしい可愛らしさに満ちていた。頬が少し紅潮し、目尻が細くなるその表情は、まさにレオンの心を撃ち抜くに十分だった。
「ふふ、そんなに赤面されては困りますわ。男ごころがつかめそうでなりませんの」
アデリナはもじもじするレオンに向けて、そう言いながらくすりと笑った。その一瞬の仕草に、少女ならではの可愛さが存分に現れていた。
レオンは更に赤面し、正直な気持ちを打ち明けてしまいそうになったほどだった。アデリナの少女らしい一面に、胸が高鳴るのを感じたのだ。
アデリナの姿は、フェアリーテイルの世界から抜け出したかのようだった。王家の矜持と気品に満ちつつ、年相応の可憐な一面も持ち合わせているその様子に、レオンは心を奪われていった。
レオンの前世の記憶の中にあったのは、物語の世界のことばかりだった。しかし、実際に目の前にその住人がいると、ただただ見とれてしまうのみだった。
アデリナは気付いたように、レオンに視線を送った。するとレオンは思わずその視線から逃げられなくなってしまった。二人の視線が行き交うたびに、アデリナの多面的な魅力が増すように感じられた。
「おや、そんな見方をされてわらわも恥かしいわ」
アデリナはたおやかに微笑みながら言った。その可憐な表情にレオンは心を射止められ、無言でただ見つめるしかなかった。
王家の威厳と矜持に満ちたアデリナの佇まいに、レオンは強く魅了されていた。一方で、可憐で少女らしい一面もあり、二つの相反する魅力に虜になりつつあった。
しかしその中にも、アデリナならではの魅力があった。程よい肉付きのカーヴィーラインは、スレンダーな体型からは想像できない女性らしい魅力を醸し出していた。レオンはそのエレガントな体つきに、つい視線を奪われてしまった。
王族の気品と、年頃の可愛らしさ、そして女性らしい魅力。その三拍子が揃った魅力にレオンは惹かれてしまい、アデリナの一挙手一投足に見入ってしまった。二人の空気は次第に赤面気味の雰囲気へと変化していった。
この出会いは、レオンにとって前世では経験したことのない体験だった。フェアリーテイルの世界から飛び出してきた人々と触れ合えたことで、新鮮な驚きと興味が心を掻き立てられていった。
そしてその中心にいたのは、まさにアデリナの存在そのものだった。アデリナの気品と可愛らしさ、さらには女性らしさの対比的な魅力に、レオンははまってしまった。
当初はその威厳と矜持に一方的に惹かれていただけだったが、次第に滲み出す可憐さと女性らしさにも心を奪われるようになった。フェアリーテイルの主人公を彷彿とさせる、凛とした姿勢とたおやかな微笑み、さらには優雅なカーヴィーラインまでもが魅力となり、レオンは虜になりつつあった。
アデリナの多面的な魅力に、レオンはたちまち魂を奪われていった。